「毎日朝食を食べる子の3割が、偏差値65以上の大学に合格している」「朝食を毎日は取らなかった人たちの3割は偏差値44以下の学部にしか入れなかった」この研究結果を聞いてどう思いますか? ただ食べればいいわけではありません。あの脳科学者・川島隆太教授に、頭のよい子に育てる方法を聞いてみたーー。

 

                 ◇   ◇   ◇

朝食あり」の子どもの3割が、偏差値65以上の大学に合格している。

 あなたは、これを聞いたらどう思うでしょうか。「そんなバカな!」と思うかもしれませんね。しかし、これは厳然たる事実です。

 これは、私が所属している東北大学加齢医学研究所と農林水産省が共同で行った、大学生400名、35~44歳の大卒会社員500名を対象に行った調査結果でわかったことです。

 上の事実と合わせて、「朝ご飯はんを毎日はとらなかった人」たちの約3割は、偏差値44以下の学部にしか入れていなかったこともわかりました。

 そのほかにも、この調査からは以下のような事実が判明しています。

・「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちの半数以上が第1希望の大学に入っている

・「朝ごはんを毎日は取らなかった人」たちの約3割が第3希望の大学にしか入れていない

 さらに朝食習慣は、次のように大学卒業後も大きく影響していることもわかりました。

・「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」の約6割が第1希望の会社や団体に就職できた

・「朝ごはんを毎日は取らなかった人」たちの約3割が第3希望以下のところにしか就職できなかった

・「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちは高収入層に固まりやすく、「朝ごはんを毎日は食べていなかった人」たちは低収入層に固まりやすい

 朝ごはんの有無は、就職する会社や収入にまで、大きく影響していることがはっきりと表れたのです。

 子どもにとって、朝食習慣がいかに大事であるか、将来を大きく左右する重大事項であることがおわかりいただけたでしょうか。

「主食」+「おかず」の朝食が子どもの脳を発達させる

 我が子の能力を伸ばしたい、頭のよい子に育てたいと願うのは、親ならば当然のことでしょう。そのために、幼児教育やよい学校、いろいろな習い事に通わせたりと、多くのおやごさんが様々な努力と心配りをしていると思います。

 ではなぜ、そこまで朝ごはんが子どもに影響するのか。そのお話をしていきましょう。