感覚過敏のあらわれ方とその工夫

<視覚>
□ 光がとてもまぶしい。フラッシュは苦手
□ テレビやパソコンの画面がまぶしい
□ とても苦手な色の組み合わせなどがある
□ 気づくと反射するものや回っているものを注視している
□ 人混みはすごく疲れる(音の刺激も重なる)
●工夫
□ サングラスを使う
□ 教室では刺激の強い掲示物が目に入らない席へ
□ 室内は間接照明を活用する
□ パソコンの画面は暗めに設定
□ 人混みでの長居はNG。安心できる人と一緒に行く

<聴覚>
□ 突然の大音量がとても苦痛
□ サイレン、雷、怒鳴り声、特定の音や声が苦手
□ 騒々しい場所で話の聞き取りが難しい
□ 時計の秒針、換気扇などの生活音が気になる
●工夫
□ 苦手な音、大きな音のする場所に近づかない
□ 授業中つらいときは先生に話して別の場所へ
□ 耳栓、ヘッドホンを活用
□ 好きな音楽をかけて、苦手な音をまぎらわせる
□ 行事などでは大きな音が鳴るか事前にチェック

<嗅覚>
□ 特定の匂いがとても苦手
□ 化粧品売り場、食品売り場、動物園など苦手な匂いの場所にいられない
□ ほかの人が気づかない匂いにも気づく
□ なんでも匂いをかいで確かめる
●工夫
□ 苦手な匂いの場所になるべく行かない
□ 身につけるもの、家に置くものは購入時に匂いを確認
□ マスクをする
□ 好きな香りを持ち歩く

<触覚>
□ 着心地にこだわり、苦手で身につけられない服がある
□ 手がベタベタしたり、手に水がつくのがイヤ
□ 髪をとかすこと、歯磨き、爪切りを人に任せられない
□ 軽く触れられただけで大きく身をひく
□ 握手やハグが苦手
□ 気に入った手触りのものに常に触れている
●工夫
□ 苦手な服は着ない
□ タグを縫い目から取る、ゴムなどははずす
□ 身につけるものは着心地を確かめて買う
□ 着心地が大丈夫な服は同じものをそろえる
□ 周りの人に、急に触れないようにしてもらう

<味覚>
□ 特定の味がすごく苦手
□ 味が違うことに敏感で、決まったものをずっと続けて食べる
□ 味や食感が混じり合うことがイヤ
□ 特定の食感がとても苦手(ネバネバ、揚げ物の衣など)
●工夫
□ 苦手な食べ物は無理に食べない
□ 給食のかわりに弁当持参を相談
□ コンディションがよいときに、違う調理法で食べてみる
□ 食事会などのときは事前に感覚過敏について説明しておく

<そのほか>
□ ブランコや遊具が怖い
□ 乗り物やエレベーターですぐに酔う
□ 温度に敏感で暑がり&寒がり
□ 注射などの痛みにもとても敏感
●工夫
□ 苦手な乗り物、遊具に乗らない
□ 冷暖房を積極的に使う
□ 注射の目的や手順などを説明してもらう

<教えてもらったのは>
NPO法人ぷるすあるは
精神障害や心の不調、発達障害のある人や、その家族を応援するべく、絵本やウェブサイトを通して情報を発信。ともに制作部のスタッフで、本職は行政機関で働く臨床心理士でボランティアとして参加する緒方広海さんと、精神科看護師で絵本やイラストを担当する細尾ちあきさん。

<参考資料>
『発達凸凹なボクの世界―感覚過敏を探検する―』(ゆまに書房)
教室での話し声や、給食の匂いが気になって、みんなと同じように過ごせない……感覚過敏の小学生タクが体験している世界や気持ちを描き、かかわりのヒントを示す絵本。

『発達凸凹なボクの世界:―感覚過敏を探検する―』ゆまに書房 税別1800円 ※記事の中で画像をクリックするとamazonの紹介ページに移動します
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