メンタル的な部分には、子どもひとりひとりの性格も大いに影響し、さらに子どもを取り巻くギクシャクした人間関係も子どもたちを萎縮させていると分析する。
「うちに来た患者の例でいえば、昔よりも子どもの自己主張が強い、という印象がありますね。
逆に、自己主張ができない子にとっては、非常に居心地が悪い時代だと思います。学校から一緒に帰るときも“私は〇〇ちゃんと帰る、あなたはどうするの、誰と帰りたいの?”みたいなやりとりがあって、人間関係がギスギスしているみたいですね」
放課後や休日に遊びに誘ったりする場合も、相手の都合を気にしながら誘うなど、大人顔負けの気遣いや処世術が求められる現代。
「腰痛を訴える子ほど、まじめな子が多い。まじめな子は全部受け止めちゃう。親の期待とか学校の成績とかいろんなものを全部、背負っちゃうんですよね」
と前出・山中院長。
教科書以外にも、目に見えない負担をランドセルに詰めて、子どもたちは通学しているようだ。
10代で円形脱毛症が……
東京・中央区の『シロノクリニック銀座』の徳永真理院長は最近、こんな話をいくつか耳にした。
「治療に来られている保護者の方から、10代の娘もしくは息子が頭髪で少し悩んでいるんだけど、というようなお話を聞いたんです。一部では遺伝や病気、薬の副作用という可能性もありますが、10代の抜け毛の原因はほぼストレスといえます」
1日100~200本くらい抜けるのが普通だが、枕元や浴室の排水溝、部屋の床にまとまった毛を発見すると、抜け毛が多いのでは? と思い込んでしまうケースもあるという。
「10代の抜け毛というと一部分だけというものが多くて、いわゆる円形脱毛症が多いですね。その一部分から広がる可能性もあります。
抜け毛自体は、命に関わるものではありませんが、目立つことは確かです。若い方ほど悩みが深いですね」(前出・徳永院長)
もし悩みがあれば医療機関に相談するのは大事とのこと。
「市販のシャンプーでも効果が出ることはあると思います。ただ、治療薬とまではいえません。頭皮に負担のないもので、ご自分が気に入ったものを使っていただくくらいがいいと思います。
レーザーや注射での治療もありますが、痛みを伴うこともあります。まずは飲み薬や塗り薬から始めるという方が圧倒的に多いですね」
と徳永院長。
薄毛はすぐに改善するものではないので、気の長い取り組みが肝心のようだ。