広瀬香美に事務所独立トラブルが起きていた。
一部スポーツ紙の報道によれば、広瀬は5月28日にフェイスブックを更新し、所属事務所を移籍して新たな活動を開始することを報告。
ところが31日になって、所属事務所が報道各社にFAXを送付した。それによると、
「広瀬の一方的な独立宣言だったようで、事務所のスタッフは困惑しているようです。また『広瀬香美』という芸名の使用を認めない、ということでした。なんでも、芸名は事務所の代表が命名したもので、広瀬がデビューしたときに、事務所退所の際は芸名を使用しない約束を交わしていたというんです」(スポーツ紙記者)
さらに、事務所サイドは法的措置をとることも視野に入れているという。
こういった独立・移籍トラブルでの“芸名使用禁止”。記憶に新しいところでは、'16年に起きた、能年玲奈の独立騒動がある。彼女は契約更新を拒否して独立。
「その際に事務所は、はっきり“使用禁止”とは言っていないそうですが、契約終了後に“能年玲奈”の名前を使用する場合は事務所と話し合い、承諾が必要だと伝えたようです」(芸能プロ関係者)
独立後、能年は芸名を『のん』に変えて活動を続けている。
「厳密にいえば、名前の使用を禁止されたわけではないのですが、事務所との論争を避けて、自主的に改名したようです」(前出・芸能プロ関係者)
ただ彼女の場合は『能年玲奈』が本名であったため、自由に名前が使えなくなったことで、元所属事務所は多くの能年ファンから非難を浴びることになった。
「事務所の言い分としては、たとえ本名であっても、芸能活動における商標としての芸名が『能年玲奈』だからということなんでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
芸能界の歴史に残る「新加勢大周」騒動
だが“芸名使用禁止”といったら、なんといってもこれだろう。“加勢大周・新加勢大周”騒動だ。
「'91年、事務所の不誠実な扱いに不信感を抱いた加勢が、一方的に契約解除を申し入れました。ですが、既に自動更新の時期を過ぎていたため、事務所は認めず、個人事務所で活動していた加勢を提訴したんです。契約解除の無効と5億円の損害賠償、そして芸名使用禁止でした」(ワイドショースタッフ)
裁判の結果は事務所側が敗訴し、加勢はそのまま芸能活動を続けられることになったのだが、加勢自身も驚く珍事が起きることに。
裁判が結審した1週間後に、元所属事務所が加勢とは別人の『新加勢大周』をデビューさせたのだ。
「これが大騒動になって、加勢ファンから非難を浴び、結局、『新加勢大周』は『坂本一生』に変わりました」(前出・ワイドショースタッフ)
この事件は芸能界の歴史に残る珍事件となっている。
さて、今回の広瀬だが、事務所の発表があった後、自身のツイッターを更新し、
「広瀬香美としての活動は今まで通りつづけていきますので心配しないでくださいね」
と綴っている。
芸能人、特にアーティストが芸名を変えることは、ままあること。それによって人気が落ちたという話はあまり聞かない。逆に、華原朋美のように人気が出る場合だってある。『広瀬香美』が別名に変わっても、ファンや彼女にとっては、痛くもかゆくもないことだと思えるが。
“芸名使用禁止”という“制裁”がどれほどの意味を持つのだろうか?
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。
*記事内容の表現を一部修正しました(2018年6月2日22寺19分)