「『ドッキリGP』や『モニタリング』のようなドッキリ専門の番組だけでなく、『水曜日のダウンタウン』のワンコーナーにもなったり。今、ドッキリはテレビ制作サイドの定番になっていますね」

 そう話すのは、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さん。

「各局は消費行動が活発な若い層にテレビを見てもらうための番組作りを掲げています。なぜなら彼らをキャッチしないと、番組のスポンサーがお金を出してくれないからです」(木村さん、以下同)

 ドッキリはその層を取り込むのにうってつけのコンテンツだという。

「ユーチューブの人気動画には昔、テレビがやっていたドッキリ企画をまねして作ったようなものが多い。万国共通でシンプルに笑えるものって、ドッキリ企画がいちばん手軽なんですよ」

「今ならパワハラ、セクハラでアウト」

 テレビや映画に詳しい昭和生まれのライター・成田全さんも、

「仕掛けられている人だけが知らない。制作サイドと視聴者が共犯関係にあるドッキリって、理屈なしで面白い」

 視聴者の厳しい声とコンプライアンスが重視される今は、ドッキリ番組が作りにくい環境になっているが、

「BPO(放送倫理・番組向上機構)設立以前は、本当に何でもアリだった」(前出・木村さん)

 そこで、今では絶対に放送できないドッキリ番組のヤバすぎる仕掛けを振り返ってみよう。

 コンプライアンス上、今では絶対に放送できないのが’90年代に人気を博した『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』のワンコーナー“人間性クイズ”。

「ポール牧さんやチャンバラトリオの結城哲也さんらベテラン芸人が仕掛け人で、出川哲朗さんや上島竜兵さんら後輩芸人にSMプレーなどを強要するというもので。今ならパワハラ、セクハラでアウトです」(前出・成田さん)