自分の生活を疎かにしてでも……

 しかしある日、T子さんは自分の口座残高の異変に気づく

あれ、なんかケタが違う……? って(笑)。記帳する習慣もなく、お金を下ろすタイミングもバラバラでしたが、さすがに100万円単位で減っていたら不審に思いますよね

 そこで心当たりとして浮かんだのは、『至急開封』の文字が大きく印字された、ずっと放置している自治体からの封筒の山。

財産差し押さえにあってもやめられない「推し活」
財産差し押さえにあってもやめられない「推し活」
【写真】推しに夢中で届いていることに気がつかなかった「納税催促状」

都民税や国民健康保険などの支払いをしていなかったんです

 放置していた理由を聞くと

「届いていることは知っていましたし、中身が督促状というのも把握していました。把握していながらも後回しにしてしまったんですよね」

 そのツケが国からの強制徴収。差し押さえされた金額が書かれている手紙も、その後、確認したという。

自分の生活を疎かにしてでも、推しを追いたかった。私のズボラな性格も、このことをきっかけに少しはマシになったと思います(笑)

 先述の“推しに恥じない生き方”とは……? と考えさせられるが、本人が立ち直っているなら問題ないだろう。

ランダムで売り出されるグッズは、推しを引き当てるのが大変で今も捨てられない
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推しで詰んだ人2
〜まゆゆを追って全国飛び回りデートより推し優先で恋人と別れた女〜

あのとき、自分の“推し方”を貫いたことに後悔はしていません。彼氏より推しのほうが大切だったので(笑)

 今から約10年ほど前、大学生だったK美さんは、4つのバイトを掛け持ちする生活を送っていた。

「ザ・アイドルな顔立ち、サラサラの黒髪にきれいな白肌、絶妙な萌え声……。“天使舞い降りてきたじゃん”と本気で思いましたね」