自分の生活を疎かにしてでも……
しかしある日、T子さんは自分の口座残高の異変に気づく。
「あれ、なんかケタが違う……? って(笑)。記帳する習慣もなく、お金を下ろすタイミングもバラバラでしたが、さすがに100万円単位で減っていたら不審に思いますよね」
そこで心当たりとして浮かんだのは、『至急開封』の文字が大きく印字された、ずっと放置している自治体からの封筒の山。
「都民税や国民健康保険などの支払いをしていなかったんです」
放置していた理由を聞くと
「届いていることは知っていましたし、中身が督促状というのも把握していました。把握していながらも後回しにしてしまったんですよね」
そのツケが国からの強制徴収。差し押さえされた金額が書かれている手紙も、その後、確認したという。
「自分の生活を疎かにしてでも、推しを追いたかった。私のズボラな性格も、このことをきっかけに少しはマシになったと思います(笑)」
先述の“推しに恥じない生き方”とは……? と考えさせられるが、本人が立ち直っているなら問題ないだろう。
推しで詰んだ人2
〜まゆゆを追って全国飛び回りデートより推し優先で恋人と別れた女〜
「あのとき、自分の“推し方”を貫いたことに後悔はしていません。彼氏より推しのほうが大切だったので(笑)」
今から約10年ほど前、大学生だったK美さんは、4つのバイトを掛け持ちする生活を送っていた。
「ザ・アイドルな顔立ち、サラサラの黒髪にきれいな白肌、絶妙な萌え声……。“天使舞い降りてきたじゃん”と本気で思いましたね」