身近な詐欺犯罪から、借金苦に陥る主婦も
近年急増しているのは、SNSやマッチングアプリを使った詐欺犯罪。「このアプリでポイントを買ったらアイドルに会える」などとだまされ、高額な支払いに応じてしまうケースもある。また、専業主婦の使い込みがきっかけで、夫婦が自己破産の危機に追い込まれてしまうことも。
「夫から渡される生活費が不足した主婦が、夫のクレジットカードを無断利用。リボ払いにしたら金利手数料が膨らみ、あっという間に大きな借金になるケースもあります」
クレジットカードの「リボ払い」には落とし穴がある。借入金利が18%程度と高く、借りている時間だけ利息が加算される。毎月の返済額を少なくできるが、最終的な支払額が膨らみやすく、借金地獄の温床になっているのだ。
「クレジットカードがリボ払いになっていると危険。カードを作成したときに意図せずリボ払いになっていることがあります」
またカード会社のキャンペーンに応募した際に、応募条件として一時的にリボ払いに変更し、そのまま忘れていることも。
カードの明細やカード会社の管理画面で確認してみてほしい。
覚えておきたい借金解決法
「少額でも借金を作ったら、早めに早めに措置をとったほうがいい」と掘向さん。専門家に相談して解決できる合法な解決法は主に5つだ。
■自己破産
裁判所に申し立て、借金をゼロにしてもらう。無職または生活保護受給者でも申請できる。
<メリット>
・多額の借金でもゼロにできる
<デメリット>
・家や車などを失う可能性が高い
・7〜10年は新たな借り入れやクレカ作成ができない
・官報に名前が載る
・手続きが終わるまで、警備員や生命保険募集人など特定の職業につけない
■任意整理
借金したカード会社と交渉。将来の利息負担ゼロを目指し、長期にわたり借金を返済する。
<メリット>
・家や車などの財産を失わずにすむ
・一部の借金だけ整理することもできる
<デメリット>
・借金をコツコツ返し続ける必要がある
・再度滞納した場合は、一括返済を迫られる
・完済から5〜10年は新たな借り入れやクレカ作成ができない
■個人再生
裁判所に申し立て、借金の大幅減額を認めてもらう。一定の収入がある人が申請できる。
<メリット>
・借金が最大10分の1まで軽減される
・家や車などの財産を失わずにすむ
<デメリット>
・安定した収入がないと認められにくい
・完済から5〜10年は新たな借り入れやクレカ作成ができない
■過払い金請求
グレーゾーン金利(過去に法の抜け穴をついた違法な金利)で払いすぎた利息を取り戻す。
<メリット>
・払いすぎたお金を取り返せる
<デメリット>
・対象となる借金がない場合、利用できない
■消滅時効
最後の借り入れまたは返済から一定期間が経過した場合、借金をゼロにできる。
<メリット>
・時効の対象となる借金をゼロにできる
<デメリット>
・対象となる借金がない場合、利用できない
・一定期間がたっていても、その間に支払いに応じる意思表示をしてしまった場合、時効が利用できない