若いアーティストらは危機感を持っているのだが……。
「日本のエンタメや芸能システムは'70年代から変わっておらず、上の人たちはあぐらをかいたまま。現在の国内ではチャンスも限られている。当然、優秀な人材は流出します。日本も若い世代を軸に仕掛けていかない限り、韓国を追い越せないでしょう」
では今後、日本は何をしなければいけないのか─。
「もっと国外に対して、積極的に動いていかないと世界から取り残されていくと思います。ただし、短期的に収益を上げようといま流行っているものに迎合する流れは問題です。日本人自身が新しい流行を作る必要があります。そのためには世界に通用する日本の資源を見極め、発信するプロデューサーが必要です」
一方で面白い現象も起きているという。韓国では日本のシティポップをはじめとする音楽や地下アイドル文化に脚光が当たっているという。日本だけが韓国の影響を受けているわけではなく、互いに影響を受け合っていることも多いというのだ。
反発ではなく、よいものを取り入れ、切磋琢磨することで日本から新たに生み出されるものがきっとあるはずだ。
通販サイトも話題!韓国ファッション
楽天のフリマアプリ「ラクマ」が昨年7月に調査した『ファッションの参考にする国』では、国内の10代~40代、60代の女性の第1位が韓国という結果だった。
「韓国ファッションの魅力は安くて気軽に買えること。それに国内では見られない新鮮なデザインや色使いなどもウケています」(ファッション誌ライター)
それに、同国のタレント、インフルエンサーのファッションから受ける影響も大きい。
「韓国アイテムを集めたアパレルブランドの通販サイトも人気です」(同・前)
ファッション同様、コスメも10代後半から20代の女性を中心に支持されている。
免税品店で知られるラオックス株式会社は今年1月、アジアコスメ専門店「LAOX BEAUTY AIRPORT」の2号店を東京・吉祥寺にオープンさせた。同店では韓国、中国、タイ、台湾のアジアコスメを120ブランド1300商品そろえている。中でも韓国コスメは売り場の7割を占めているという。
「特徴は低価格で商品の質がいいこと。それにパッケージも可愛い。“映える”アイテムが多いんです」(広報担当者)
例えば、アイシャドー。複数色が入ったパレットタイプが人気。1000円台〜2000円で買えるのも魅力だ。韓国発祥のクッションファンデーションやティントのリップ、アイブロウは発色もよく、色落ちしにくくマスクにつきにくいものも多い。
フェイスマスクなどスキンケアアイテムはリピーターも。
「フェイスマスクだけで180種類をそろえています。美容液が多く含まれており、人気です」(広報担当者、以下同)
とはいえ、まだ韓国コスメを使ったことがない人も多い。
「試してみよう、と思ったときに手軽に購入できる価格帯なのも特徴です。現地では40代、50代の方も当然使っておりますし、娘さんと一緒にお母さんが使ってもいいかもしれません」
教えてくれた人は……古家正亨さん
●ラジオDJで韓国大衆文化ジャーナリスト。韓国観光名誉広報大使も務める。ラジオやTV出演の傍ら大学でも教えている。約20年以上にわたり、K-POPの魅力を紹介している