一時代を築き上げた数々の女性誌

【復活してほしい雑誌〈第5位〉】主婦の友28票(C)主婦の友社
【復活してほしい雑誌〈第5位〉】主婦の友28票(C)主婦の友社
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 5位は『主婦の友』。1917年に『主婦之友』として創刊されて以降、料理や健康、育児などの情報を掲載する婦人雑誌の代表的存在だった。

「新婚時代に参考になる記事が多くよく読んでいた。家計管理がうまくできるようになったのは、付録の家計簿のおかげ」(59歳・女性・京都府)と、同誌は初めて家計簿を付録につけたことでも有名だ。

 また、10位には主婦向けの生活情報誌である『すてきな奥さん』がランクイン。「節約情報が他誌より多く、一般家庭の家計が紹介されていて参考になった」(41歳・女性・兵庫県)など、世の悩める主婦たちに“暮らしの知恵”を提供し続けた。

時代とともに専業主婦が減り、婦人誌もひとつの役割を終えたのだと感じます。休刊は、“主婦”や“奥さん”といった家庭での役割だけに縛られることなく、女性の生き方がより自由で多様なものになった変化の表れかもしれませんね」(米澤教授)

【復活してほしい雑誌〈第6位〉】AneCan(アネキャン)26票(C)小学館
【復活してほしい雑誌〈第6位〉】AneCan(アネキャン)26票(C)小学館

 6位の『AneCan』は、20代後半から30代の独身女性をターゲットに据えたファッション誌。「10代のころは『CanCam』を、その後『AneCan』を読むように。エビちゃんみたいになりたかった」(36歳・女性・愛知県)と、専属モデルを務めた蛯原友里さんや押切もえさんに憧れた女性も多いようだ。

「多様な競合誌が多いなかで、『AneCan』にはキラキラとした“合コンファッション”も多かった気がします。女性ファッション誌は雑誌の世界観や服装、専属モデルなどを通して、キャリア志向なのか、マダム路線なのか、コンサバティブに生きるのか、ある意味で女性の生き方のロールモデルを提示していた側面もありました。

 誰もがアクセスできるウェブの情報と異なり、ターゲットを絞り込める紙の雑誌は“これは私のための雑誌だ”と思わせる力も強く、読者たちの生き方を肯定し、勇気づけるパワーを持っていたように思います

 7位は、写真週刊誌の草分け的存在である『FOCUS』だ。有名人の密会写真から政治事件、社会的な災害までを記録し、「今の『週刊文春』のように衝撃的なスクープを連発して、とてもスリリングな雑誌だった」(49歳・男性・埼玉県)との声も。

「スキャンダルから政治、経済、社会まで、さまざまな情報がごった煮でパッケージされているのも、雑誌の面白いところかもしれません。誰もがスマホを持ち、SNSなどにもリアルタイムで事件や事故の現場写真や動画がアップされる時代。週刊誌が持っていた影響力や役割も、少しずつ変化しているのでしょうね

【復活してほしい雑誌〈第8位〉】別冊花とゆめ22票(C)白泉社
【復活してほしい雑誌〈第8位〉】別冊花とゆめ22票(C)白泉社

 8位に挙がったのは、少女漫画誌『別冊花とゆめ』。かつては美内すずえの『ガラスの仮面』や魔夜峰央の『パタリロ!』といった名作も連載されており、「菅野文先生の『オトメン(乙男)』など、恋愛漫画の連載も多く、毎月キュンキュンしながら読んでいました」(35歳・女性・大阪府)といった声が寄せられた。

 9位はファッション誌『egg』「素人読者モデルがいっぱい登場して、プリクラやポラ写真もたくさんあって楽しかった」(37歳・女性・東京都)と、渋谷女子高生のリアルを切り取る誌面で、厚底ブーツやルーズソックス、ガングロメイクといった平成ギャル文化を牽引した。現在はウェブ版eggのほか、刊行形態を変えて年2回の紙媒体での復刊も実現している。

「素人読者モデルというのも面白い文化で、今でいうSNSのインフルエンサーのようなものだったように思います。新しい文化の発信地として“雑誌文化”というのは紙からウェブに引き継がれていったのかもしれませんね」

 現在進行形で失われつつある“雑誌のページをめくる”というリアルな体験。あなたがもう一度、紙で読みたい雑誌はなんですか?

米澤 泉○甲南女子大学人間科学部文化社会学科教授。専門はファッション文化論、化粧文化論で、扱うテーマはコスメから雑誌まで幅広い。『おしゃれ嫌い 私たちがユニクロを選ぶ本当の理由』(幻冬舎新書)など著書多数