緑内障  イラスト/松田弘美
緑内障  イラスト/松田弘美
【画像】緑内障の解説イラスト

 万が一そのような治療が間に合わなければ失明し、眼圧が高すぎて耐え難い痛みが続く場合には、最悪、眼球そのものを取り出さなければならない事態となるのだ。急性緑内障はどのような人がなりやすいのだろうか。

閉経した女性で身体が小柄で遠視の人は要注意

一般的な緑内障と急性緑内障は起こり方が違うので、一般的な緑内障の人がなりやすいというわけではありません。急性緑内障になりやすいのは隅角が閉じやすい人で、それは主に目の形に原因があるといわれています。

 例えば、視力は悪くないけれど近くの物を見るのは疲れてしまうという遠視の人は、もともと眼球の長さが短いので、眼球の中の組織が近視の人と比べてぎゅっと詰まった状態になっています。そのため隅角も閉じやすくなるのです。

 また、高齢になると白内障になりやすく、白内障になると水晶体が分厚くなります。隅角は水晶体の近くにあるので水晶体によって隅角が押されて狭くなり、閉じやすくなります

 また、女性は閉経を迎えて女性ホルモンが減少することで眼圧が上がりやすくなるといわれている。

 さらに、小柄な人は眼球も小さいので(よくいう「目の大きさ」ではなく、あくまで眼球の大きさが小さいので)、リスクがあるという。つまり、閉経した女性で、身体が小柄で遠視の人は、要注意なのだ。

 急性緑内障は、動物を用いた実験によると発症6時間後には上昇した眼圧により視神経が圧迫、障害されてダメージが残り、失明の危機に陥るといわれている。発症したらとにかく一刻も早く処置するのが大事なのだ。

急性緑内障がよく起こるのは夕方や夜です。暗い場所は瞳孔が開くことで隅角のスペースが狭くなります。また、映画館などの暗い場所で長時間、映像を見ることも引き金になることがあります。ほかにもヨガなどで頭を下げる姿勢が続く状況や、ストレスや寝不足で交感神経が優位になり、眼圧が上昇する場面でも起こりやすくなります