思い込みを捨てれば出費が激減する
「固定観念強め派」は、「お得だ」という間違った思い込みを持っていたり、これまでの買い物の習慣や消費行動を変えるのが苦手だ。
「売り手はよりお得な印象を持ってもらおうと、あの手この手でアピールします。例えば、『10%ポイント還元』と『10%割引』は一見、同じように見えますが、実際の金額では後者のほうがお得。しかし、“ポイ活”の流行もあり、売り手は数字どおりに得をしない『10%ポイント還元』をアピールするので、騙されないようにしましょう」
また、以前どこかで知った節約方法を最適だと信じ、かたくなに変えないことも多い。
「10円安い商品を買うため、遠くのスーパーまで行くのは時間がもったいない。冷静に考えればわかることですが……。今の時代に合った情報のアップデートを心がけて」
一度契約した固定費やサブスク。今は契約当時よりもっと安い商品やサービスが登場しているケースも多い。不要なものはやめる、安いものに乗り換えるなどの見直しを。
また、人と同じものが欲しくなるというのも、固定観念が強い、と橋本さん。
「例えば日本人は新築好きで、日本で売買される住宅のうち9割近くが新築です。でも一生そこに住めるとは限らないし、中古住宅のほうが基本は安く、税評価も低い。自分が本当に住みたい家なら問題はないですが、『人が持っているから』ではないお金の使い方を心がけてみて」
ネット通販はスマホよりパソコンで
私たちがより散財しやすいのがネット通販。
「ついつい深夜にポチって後悔したという経験はありませんか。脳が疲れている深夜の買い物は危険です」
ネットサーフィンをし続け、脳が大量の情報を処理できずに判断力が鈍れば、必要のないものを買ってしまうことも。橋本さんは「ネット通販は、スマホより断然パソコンで買うのが正解」と言う。
「スマホは画面をタッチするだけなので買い物へのハードルが低く、お金を使っている実感が持ちにくい。パソコンのほうがやや手間が多い分、購入へのハードルも上がり、慎重になれます」
同じ価値のものであれば、将来よりも“今すぐ”手に入れたいと思うのがわれわれの脳のクセ。いいなと思っても即買いせず、カートに入れて2、3日たってから購入するのも衝動買い防止となる。
「買い物を楽しむこと自体が悪いわけではないのです。『あの人が愛用』『今ならお得』という文言につられるなど、不必要なものを安いから、なんとなく欲しいからというだけで買う行為をやめるべき。“残念な行動パターン”を自覚し、必要なものを適正な価格で手に入れると、買い物への満足度も高くなり、不合理な選択をしなくなります」