1枚のワンピースを毎日洗濯して着倒す

 まず、驚くべきは洋服。持っているのはワンピース1枚(ほかアウター2枚)のみで、毎日、どこへ行くにもそれだけで過ごしている。

毎日身につけている衣類はこれだけ。靴も1年を通して履けるものを選ぶ 画像提供/Nozomiさん
毎日身につけている衣類はこれだけ。靴も1年を通して履けるものを選ぶ 画像提供/Nozomiさん
【写真】Nozomiさんの“持たない暮らし”に近づける「捨て基準チェックリスト」

「夜のうちに洗濯、乾燥し、翌朝また着るので、困ることはありません」

 ただし、1枚を何年も着続けているわけではない。もったいないからと同じ服を10年も着続けるような“節約家”とは異なり、目的はあくまで快適に暮らすことで、そのためにモノを減らしているだけ。

 シーズンごと(春夏用、秋冬用)のシンプルなシャツワンピースを厳選し、“1枚を着倒したら手放して1枚だけ新調”を繰り返している。また、少し値段が張っても、条件に合うものを優先。

GUやユニクロで購入することが多いのですが、昨秋冬は上質な『SOEJU』というブランドの19800円のワンピースを買いました。乾燥機を使ってもシワにならないところがお気に入りです」(Nozomiさん、以下同)

 正直、ずっと同じ服で飽きないのかと思ってしまうが、自分に似合う色やシルエット、ポケットの有無など、毎日を気持ちよく過ごせる条件を備えた服を選んでいるので、まったく問題なし。

「むしろ、毎日の服選びや洗濯後の服の整頓、季節ごとの衣替えといった手間や時間がなくなって、ストレスが減っています」

 衣類関係はワンピースとアウターのほか、タイツが1〜2着、下着(ナイトブラと吸水ショーツ)がそれぞれ2、3枚など、1年を通じて少数精鋭で過ごしている。

 さらに、驚異的なモノの少なさは衣類だけにあらず。スマホや家の鍵、マイナンバーカードなど必要不可欠な貴重品から日用品、消耗品を含めても、自分の持ち物は40個にしかならないと教えてくれた。

「まだ使えるかどうかではなく、“今、必要か”、私が“使いたいものか”、というところに焦点を当てていったら、自然にモノが減っていきました。

 日常的に使えて、生活を豊かにしてくれるものだけに囲まれているので、モノは少ないですが、すごく満たされた気持ちで過ごしています」