「中学を卒業したらプロレスラーになることが決まっていたので、それまでは好きなことをやろうと決めていたんです。どうせならプロレスの練習になるということで、ケンカばっかりしていました」
ブル中野がプロレスに初めて接したのは、小学5年生のときだった。
「たまたまプロレス中継を見ていたら、なんだか身体がゾクゾクしちゃって、感動したんです。猪木さんと大きな外国人レスラーの試合でした」
ただそれほど熱狂的なファンではなく、せいぜい写真やグッズを集める程度。そんな彼女の背中を強く押したのがお母さんだった。
「中学1年のとき、母に“そんなに好きならレスラーになったら”と言われオーディションを受けたんです。合格しましたが、規定では15歳以上ということだったので、正式な入団は卒業してからということになりました」
進路が決まっていたので、学業に対するモチベーションは、ほぼゼロだった。
「今しか遊べないと思って。遊ぶというよりも、地元・埼玉の川口にある中学全部をシメてやろうと思いました」
各中学のスケ番に果たし合いを申し込み公園や神社の境内で“死闘”を繰り返した。ただ、川口の中学は多すぎて、自分の学校の近くだけになったというオチがつくが、誰にも負けることはなかった。