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 いまや2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなる「がん時代」に突入。身近な病気であるわりに、デマや噂に惑わされないで本当に役立つ情報を見つけだすのは難しい。そこで、がんに詳しいスペシャリストたちに話を伺った。

・シナモンやバジルでがんになる?

 シナモンの香り成分『クマリン』、バジルなどのハーブに含まれる成分『エストラゴール』に発がんリスクが。どちらも過剰摂取しなければ問題はなく、また大量に食べるようなものじゃないとはいえ、気になるところ。

 そこで内閣府食品安全委員会は発がん性物質のリスク評価で『暴露マージン(MOE)』という新指標を使い始めた。MOEは、健康へのリスクを判断するうえでおおまかな目安になるもの。

 前述したクマリン、エストラゴールのほか、アルコールやワサビの辛み成分なども対象になっている。

「MOEの数値が大きければ大きいほどリスクは低いとされており、具体的な数値は食品安全委員会のホームページで確認できます。また、たとえMOEで対象外の食べ物であっても、偏った食習慣は万病のもと。気になる人は生活そのものを見直して」(医学博士・植田美津恵先生)

・がんを防ぐ油がある?

「ホントです。エゴマに含まれる成分が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)やそれに伴う肝細胞のがん化を抑制することを今月、名古屋市立大の研究グループがラットの実験によって明らかにしました」(植田美津恵先生)

 すべてのがんを防ぐわけではないにせよ、画期的な発見。

「NASHは肝臓で脂質を代謝できない病気です。特効薬がなく、何か食品にでもすがりたいという思いからエゴマが注目されたのでしょう」(秋津医院院長・秋津壽男先生)

 エゴマが肝がん予防に効くメカニズムはこうだ。

「エゴマの種に多く含まれる成分『ルテオリン』が脂質の代謝を促して、肝臓がんになるのを防いでくれるというわけです。もともとエゴマ油は動脈硬化の予防になるものとして知られていますが、エゴマ油だけでなく亜麻仁油、シソ油などオメガ3という成分を多く含む油であれば、同じ効果が期待できます」(秋津先生)