背徳感を感じながらも、平日の昼間に銭湯で身体を流し、居酒屋に立ち寄って酒をゴクリ。そんな大人の道楽を描いたドラマ『昼のセント酒』で主演を務める戸次重幸。
「このドラマでは、僕はお尻が第2の顔だと思っています(笑)。なので、みなさんに、“何で深夜にこんなもの見なければいけないんだ”って身体にならないよう、走ったりして、気遣いをしていますね」
戸次が演じるのは、仕事中にもかかわらずその誘惑につい負けてしまうダメ営業マンの内海孝之。週に1回は必ずその美尻(!?)を出すという、役者人生初の役に挑戦中だ。
「1話の2カット目でもう慣れました(笑)。監督の意向として、なるべくリアルな銭湯の人間風景を描こうと。僕もですが、男性ってタオルであまり前を隠さないじゃないんです。だから、隠せないでいけるカットはそうしています。ポロリですか!? あっちゃダメですけど、ここではあえてあるかもしれないと言っておきます(笑)」
そして内海は銭湯のあとに、居酒屋に直行し、もちろん飲むのはビール! 戸次自身もお酒は好きで、毎日飲んでいるんだとか。
「ビールから日本酒の流れですね。体調があまりよくなくても飲んで“あれ、美味しくないぞ”って、自分の病状をはかるんです。で、美味しくなってきたら“おっ、体調よくなってきたぞ!”って(笑)。健康のバロメーターですね。夜は飲んでから寝る毎日です」
しかし、ここ数年は酔うとこんな状態になってしまうそうで……。
「飲んでいるときは覚えていても、次の日、記憶がないんですよ。指摘されても、“こんなこと言ったっけ!?”って状態で。そうしたら妻が、僕が酔っている姿を動画で撮って翌日見せるんですよ。ビックリしますよ、まったく覚えていない自分が動いてしゃべっている姿は(笑)。失礼なこと言ってないかハラハラで、本当に怖いです!」
“銭湯”と“酒”をテーマにしたまさに至福のドラマ。ちなみに、ご自身の至福の時間は?
「僕、ゴルフが大好きで。ゴルフ場の門をくぐって入り口に着くまでの道中が最高の時間ですね。プレーが始まると“ちくしょー!”ってテンション下がりますが(笑)。始めたきっかけは、仕事先のマレーシアで自由時間に大泉(洋)と初めてやったゴルフでしたね」
それが面白くてハマったと?
「逆で悔しかったんですよ。彼も3か月目の初心者だからうまくはないんですけど、それ以上に自分がヘタなのが。そのときに“日本に帰ったらゴルフセット買うから。そして練習して、おまえよりうまくなったら、ゴルフセットを叩き壊して2度とやらない!”って、今思うとアホなこと言っていましたね。そのゴルフセットですか? もちろん、大事に磨いています(笑)」
キリッとした二枚目からどこかダメな三枚目の役まで、幅広く器用に演じてみせる戸次。そんな彼が、この先ぜひやってみたい役があるんだとか。
「刀が好きなので、時代劇で殺陣ができる役をやってみたいです。出させていただいたことはあるんですが自害する役だったので、できれば相手に刀を向けたいなと(笑)。役柄は武将から足軽まで何でも構いません。あっ、でも鉄砲隊だけは……。いくら鉄砲の名人でも“違うんだよな~”ってなりそうなので、ぜひ(笑)」
撮影/佐藤靖彦