bihada0514

 NHKスペシャルの放送をきっかけに、広く知られるようになった『腸内フローラ』。最近は、テレビ番組や雑誌で『口内フローラ』『肌フローラ』が取り上げられ、目にすることが増えている。

 美容にも、更年期症状にも効果的な植物性女性ホルモン、大豆イソフラボンが、腸内細菌によって産生されるのが『エクオール』。だが、体内で作れる人、作れない人に分かれる。

「大豆食品や食物繊維を多くとる人は、エクオールを作ることができる産生菌を持っている傾向があります。ただ、腸内フローラは幼児期に完成してしまうので、その後は、エクオール産生菌が定着するのは難しいのです。

 一生懸命、食事から腸内細菌にいいものを常にとり続ける必要があります。エクオール産生菌がない方は、ずっと作れないということもあります」

 そう教えてくれたのは、更年期専門外来を設ける浜松町ハマサイトクリニック院長の吉形玲美先生。

「日本人の約半数が、作れないと言われています。当院のデータでは、年代を問わずに約7割の方が作ることができません」

 いい方法はないのだろうか。

「ご自分の体質を確認して、サプリをとるか、エクオールを作れる人は、1日に納豆1パック程度の大豆食品を継続的に食べていると、更年期症状などが軽減される効果が期待できます」

 エクオール産生の体質確認は、尿検査によってわかり、医療機関で受診するか、検査キットはネットでも購入できる。

「エクオールは更年期症状を緩和するほか、骨密度が減りにくくなったり、動脈硬化の予防、内臓脂肪の軽減、美容にも効果があり、万能選手です。サプリについては薬ではなく大豆を発酵させた天然由来のものですから、副作用の心配は少ないです」

 “スーパーイソフラボン”ともいわれるほど強力なエクオール。世代を超え女性たちの強い味方になってくれるのは間違いない。

「仮に、自分はエクオールを作れなくても、和食や日本ならではの発酵食品を取り入れた食事を、お子さんが小さいときから食べていれば、お子さんにエクオール産生菌ができる可能性はあります。サプリは、骨粗鬆症予防、PMS(月経前症候群)にもいいので、食卓の脇にいつも置いてあるものになればと思います」

◎教えてくれたのは吉形玲美先生

 浜松町ハマサイトクリニック院長。日本産婦人科学会専門医。'97年、東京女子医科大学を卒業。幅広い年代の女性たちの悩みに応えている。著書に『パートナーと考える出産 妊活バイブル』(日東書院本社)