今回から連載スタートの「TV勝手に表彰状」。古舘プロジェクト所属の鮫肌文殊、山名宏和、樋口卓治、3人の現役バリバリの放送作家が、日々の仕事の中で見聞きした今旬なタレントさんから裏方まで、TV業界の偉人、怪人、変人の皆さんを毎回1人ピックアップ。勝手に称えまくって表彰していきますのでよろしくお願いします。

メイプル超合金のデブのほう

安藤なつ 様

メイプル超合金の安藤なつ(左)とカズレーザー(右) 撮影/佐藤靖彦

 さて、栄えある連載第1回目、私サメハダが勝手に選んだのは安藤なつさん。今やTVで見ない日はないお笑いコンビ「メイプル超合金」のカズレーザーじゃないほう、デブの女のほうである。

 なんと彼女、体重が130キロもある。

 力士で言うと日馬富士(135キロ)ぐらい。動物で言うと成人した野生のクマと同じくらいの重さだ。

 過去、いろんなデブタレントがTVで活躍してきたが、女性でここまで重くてデカイ人はなかなか珍しい。

 知り合いのデブのディレクターがこう言っていた。

「不規則な生活が祟って太りまくって1年で20キロも増えたんです。ついに99キロになったんで『ここまできたら100キロになってやる!』と開き直ってさらに暴飲暴食しても、どうしても3ケタには乗らない。実は100キロ超えるのって大変だったんですね」

 これは別のデブタレントに聞いたのだが、100キロを超えるためには強靭な内臓が必要だそうだ。並みの肉体だと100キロを超える前に、糖尿病など生活習慣病に罹ってしまう。カラダのほうが「もうこれ以上太れません」と悲鳴を上げてしまうというワケだ。実は100キロを超えている人間は、ある意味スーパーマンなのである。

 しかも安藤なつさんの場合、100キロどころかさらに30キロ上乗せ。女性でこの体重ってミラクルな域に達している。

(※編集部注:ちなみに、ハリセンボン・近藤春菜は推定77キロ、渡辺直美は推定100キロ)

 千原兄弟のせいじさんが番組で証言していたのだが、せいじさん経営の居酒屋で安藤なつさんがバイトしていた頃、彼氏が途絶えたことがなかったという。

 世の中、スレンダーな女性が好きな男性ばかりではない。デブ専も多い。そんなデブ専にとって130キロもある彼女はふくよかな天使に見えるようなのだ(しかも、彼氏は皆、イケメンらしい!)

 さらにさらに。自分の担当番組に出てもらった際に、女性向けのダイエットコーナーでインストラクターと一緒に運動する場面で飛んだり跳ねたりしてもらって驚いたのだが、彼女、デブなうえに「動ける」。ちゃんと機敏に動けるデブの女って、バラエティ的には渡辺直美に次ぐ存在だ。

 安藤なつさん、バラエティ界に彗星のごとく現れた「動けるデブで賞」を差し上げて、ここに表彰いたします。

 これからもっともっと女性デブタレントとして新しい笑いを追求してください。

 期待してます!

【プロフィール】
◎鮫肌文殊(さめはだ・もんじゅ)
放送作家。’65年神戸生まれ。古舘プロジェクト所属。「世界の果てまでイッテQ!」など担当。渋谷オルガンバー「輝け!日本のレコード大将」(毎月第2金曜日)、恵比寿頭バー「歌謡曲主義」(毎月第3火曜日)などでの和モノDJ、関西伝説のカルトパンクバンド捕虜収容所のボーカリストなど音楽活動も数多い。