【タイムリー連載・フィフィ姐さんの言いたい放題】一橋大学に属する同性愛者であった学生Aくんが、異性愛者の友人Zくんに告白したところ、ゲイであることをほかの友人たちにもアウティング(暴露)され、苦悩した末に昨年8月自殺した問題を巡り、議論が巻き起こっている。自殺という手段に至らざるを得なかったのは何故なのか、ほかに救済の方法はなかったのか。フィフィは、いまだにゲイをはじめとするマイノリティに対し、寛容ではない社会の姿勢にこそ問題があるとして、自らの経験を踏まえながら語る。
同性愛者が、同性愛者に偏見を持っている異性愛者に告白するという挑戦
告白してフラれたという、よくある失恋話だという声も聞かれますが、私はそうは思わない。元々AくんとZくんの属するグループラインのなかでは、会話の節々で、ゲイに対して偏見をもっているきらいがあったといいます。
異性愛者が同性愛者に告白され、受け入れるケースが稀である現状のなか、そして同性愛者に対して寛容ではないことも知っているという状況のなかで告白するというのは、かなり難しい挑戦だったと思う。
断られて、それで終わりというのではなく、その先に失恋以上の辛いことが待ち構えているなかでの告白だったという点だけでも、よくある失恋話という一言では片づけてはならない問題だと思うよ。
アウティングしたZくんが悪かった、あるいは異性愛者が同性愛者に告白されれば戸惑うのは仕方のないことで、むしろZくんは被害者なのではないかという意見も耳にします。
しかし私は、Zくんをはじめ、いまだにゲイを特別視してしまう社会、ゲイを面白おかしく茶化そうとするメディア、そしてAくんが勇気を出して相談したにも関わらず、何も解決法も見出そうとしなかった大学側のカウンセリングにこそ問題があるのではないかと思う。
わがままではなく、属性、生まれつきものに対して、まだ未熟な学生が悩んでいる場合、大学側は専門のカウンセリングを設けているわけだから、もう少し真摯に対応しなきゃならなかったんじゃないかな。
マイノリティに対し、いまだステレオタイプを押し付ける社会
とくに芸能界では、ウケを狙って未だにゲイを特別扱いする風潮があるよね。だけどそれって、ゲイといえば、みんなおネエみたいな喋り方をするものなんだという間違った認識を助長させてしまうところがある。