巨大噴火とアウターライズ地震がこない限り終わらない
茨城、千葉の沿岸部は東日本大震災で被災している。福島県沖地震でも震度5弱〜3と大きく揺れたため、警戒心を維持してほしいという。
「茨城、千葉の海岸線近くで地震が発生すると、震源が浅いため津波による大被害が予想されます。例えば湖で国内2位の面積を持つ茨城・霞ヶ浦は縄文時代の海の名残です。土地の歴史を忘れてはいけません。1メートルどころかひざの高さの津波でも踏ん張るのは無理です。水平方向ではなく、垂直に逃げることを心がけてください」(高橋教授)
高橋教授が“3・11はまだ終わっていない”とする根拠は、太平洋プレートの動きからも裏づけることができる。3・11以前は北米プレートにもぐり込む速度が年約10センチだったのが、震災後は年約30〜40センチと加速している。
「太平洋プレートは南米チリの沖合まで続く超巨大プレートです。そのうち加速についていけなくなった箇所でプレートがちぎれ、アウターライズ地震が発生します。東日本大震災を引き起こしたのはM9の巨大地震ですから、火山の巨大爆発もセットで発生します。もぐり込んだプレートが溶けてマグマを量産しています。
M6〜7クラスの大地震がいくつ発生しても、巨大爆発とアウターライズ地震がこない限り、3・11は終わりません」(高橋教授)
インドネシア・スマトラ島沖で2004年に発生したM9・1の地震では、8年後にM8クラスのアウターライズ地震が追いかけてきた。津波による大被害を招いた1896年の明治三陸地震では37年後、アウターライズ地震とみられるM8クラスの昭和三陸地震が発生した。
大噴火はいつごろくるのか。
「ここ1〜2年以内に東日本の活火山は巨大爆発する可能性が高い。気象庁は12月から、24時間体制で監視する47火山に八甲田山、十和田、弥陀ヶ原を加えます。新たに人員も予算もつぎ込むのは噴火が怪しいと思っているからでしょう。私は地表近くで地震が頻発している北海道・雄阿寒岳が気になっています。ただし、大爆発の予兆が確認できた山はない」(高橋教授)