古舘プロジェクト所属の鮫肌文殊、山名宏和、樋口卓治という3人の現役バリバリの放送作家が、日々の仕事の中で見聞きした今旬なタレントから裏方まで、TV業界の偉人、怪人、変人の皆さんを毎回1人ピックアップ。勝手に称えまくって表彰していきます。第13回は鮫肌文殊が担当します。

岡田結実 様

 今回、私が勝手に表彰するのは、「2016~2017年末年始のTV番組出演者ランキング」(株式会社エム・データ調べ)で出演本数17本を記録し、見事女性ナンバーワンに輝いた岡田結実ちゃんである。

岡田結実 撮影/坂本利幸

 ご存知の通り、あのお笑いタレント・岡田圭右さんの娘。モデルとしてすでに有名であったが、本格的にバラエティー番組への出演を解禁して以来、そのキュートなルックスとは裏腹のコメディエンヌとしての才能が開花。引っ張りだこ状態で、今やTVで見ない日はないくらいだ。

 お父さんが漫才で「ライバルは娘、ワオッ!」とネタにするぐらいの大ブレイク。今年もその快進撃は止まりそうにない。

 私も自分が企画した『どきどきMAXランキング』(日本テレビ系)って特番で、早速MCとして起用させていただいた。そして、なぜこの娘が今大人気なのか理由がわかった。

 過去の経験から言うと、ちょっと人気の出たモデル系のタレントさんって、すぐに勘違いしてしまう人が多い。しかも2世タレント。誰とは言わんが「敬語を使えない」「ADや下のスタッフに傍若無人な態度をとる」などわかりやすく天狗になって、スタッフ受けが最悪。芸能界的に「しくじり先生」化するパターンをさんざん見てきた。

 しかし、結実ちゃんは全く違ったね。打ち合わせの席でも、他の出演者が座るまで自分は座らずに立ったまま。スタジオでもそう。よほどお父様とお母様の教育がしっかりしているのであろう。まだ16歳の若さでなかなかできることではない。

 もちろん、本番では同じくMCのアンジャッシュ・渡部建を相手に堂々と渡り合ってくれて、「100点!」と言いたくなる出来。この番組のプロデューサーから末端のAD、技術スタッフに至るまで皆、感心して、彼女のファンになったのは言うまでもない。

「今人気だからとりあえずブッキングしとくか」ってノリでキャスティングされても、次に続かないタレントが多いなか、いろんな番組に「また呼ばれる」理由がわかったよ。よって今回は、岡田結実ちゃんに「一緒に仕事していて気持ちよかったで賞」を差し上げ、勝手に表彰したいと思う。

 岡田家の家訓「父娘共演は絶対にしない」を突破して、夢の2ショットを実現する剛腕な番組は今年中に出てくるのか? 楽しみだ。

 彼女の大活躍、当分、「閉店ガラガラ」になりそうにはない。

<プロフィール>
鮫肌文殊(さめはだ・もんじゅ)
放送作家。’65年神戸生まれ。古舘プロジェクト所属。「世界の果てまでイッテQ!」など担当。渋谷オルガンバー「輝け!日本のレコード大将」(毎月第2金曜日)、恵比寿頭バー「歌謡曲主義」(毎月第3火曜日)などでの和モノDJ、関西伝説のカルトパンクバンド捕虜収容所のボーカリストなど音楽活動も数多い。

<鮫肌文殊の最新情報>
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