「せこすぎて恥ずかしいくらいなのですが、今では節約が楽しくて!」
そう話すのは、結婚10年で3000万円貯めた節約術が話題のユーチューバー・ぴーちさん。現在35歳で2児(小学生・未就学児)の母。気になる収入も、夫の月収は23万円とごく一般的。
「夫に持病があり収入が減る可能性もあったので、結婚当初から貯金の意識は高めでした」(ぴーちさん、以下同)
「お得」を徹底的に追求!
夫婦で立てた目標は「40歳で4000万円貯金」。共働きを基本とし、産前はぴーちさんの給料を全額貯蓄に回し、夫婦でボーナスも含めて年に300万円弱を貯金。産後も在宅ワークやせどり(転売)、ポイ活などすき間時間を駆使して稼ぎ、あとは徹底した節約術でムダを省いていった。
「家を建てるまでは家賃補助が出ていたことと、産後に築35年のマンションに引っ越して家賃を下げたことも大きいです」
生活費はなるべく抑え、月に17万~18万円(現在は22万円)に設定。日用品は“楽天”をフル活用。ポイントが高い日を狙い撃ちし、さらにポイントが二重取りできるサイトを経由して買うなど、得する買い物を実践する。
「楽天カードや楽天銀行も使い、楽天経済圏をフルに使うと、生活必需品を買うだけでも年間7万円程度のポイントが貯まります」
また子どもたちの勉強机やベッドは、不要品を地域住民で譲り合う情報サイト「ジモティー」を利用してタダでゲット。服は1着100円、髪の毛はセルフカット、車は軽自動車、スマホは格安SIMという徹底ぶり。
これでは生活がギスギスするのではと心配になるが、ぴーちさんがすごいのは、年3回は旅行を楽しみ、レジャーも満喫しているところ。
「家族や自分にとって幸福度が上がるものにはお金をかけます。自宅はこだわって注文住宅にし、レジャーも減らさない。この秋は全国旅行支援の県民割を利用して、家族4人で1泊総額1万円で温泉も楽しんできました」
お得情報を調べたり、節約をするには手間がかかる。ただ、そのぶん貯まるスピードもアップ。気になるアイデアからぜひ試してみて!
節約ポイント1 食費
家族4人で夕食は1食500円を目指す!
半額食材を狙い、鶏胸肉や豆腐などの安くて栄養価の高い食材をメインに使い、それらのレシピも豊富にストックしている。割高なコンビニ食材や外食はなし。「買い物以外では財布を持ち歩きません。お金がなければ子どもたちもあきらめ、『ジュース買って!』など言わなくなります」
Point1. 半額食材を活用する
スーパーによって安い食材の傾向が違うので、事前リサーチは重要。さらに半額シールが貼られる時間帯をチェック。「半額商品は2~3日分まとめ買い。また、冷凍食品は割高なので、半額の惣菜を冷凍しておくとコスパ良し!」。また米と肉はふるさと納税でまかなう。「2~3か月ごとに届く定期便を利用。実質2000円でゲットできるのが魅力!」
Point2. 買ったら絶対ムダにしない
使い忘れたり腐らせたりしたらお金のムダ。「冷蔵庫内は、目のつくところに賞味期限が近いものを置いて、使い忘れを防止」。特に冷凍庫に入れたモノは使い忘れが多いので、1~2か月ですべて使い切るよう心がけている。買い物に行く前は必ず庫内をチェックし、ダブり買いなどしないように。
Point3. 手抜き料理をきわめて外食なし
料理を頑張りすぎると、イヤになって外食をしたり、割高な惣菜を買ってしまいがち。
「一度にたくさん作って、翌日はアレンジのみにして手間を省いています。豚汁は味を濃くし味噌煮込みうどんに、ミートソースはドリアにという具合に。節約は無理せず続けることが大事です」
節約ポイント2 生活費
小まめに調べてなんでも最安値!
節約やお得に関する情報は常にアンテナを張るのが大事。
「一見得だと思っても、必ずネットで調べるなどして本当に最安値かチェックしています。また、モノの値段に対して、例えば1000円なら、『うちの夕食2回分。本当にそれだけの価値がある?』と自問自答。衝動買いにブレーキをかけています」
Point1. 一番重要な固定費は必須
固定費の見直しは面倒な手続きが必要なことも多く後回しにしがちだが、いったん見直せば自動的に支出が抑えられるため節約効果が高い。「特に保険。日本は社会保障が充実しているので、突然、夫が亡くなっても公的補償でまかなえるとわかり、保険料は月8800円から月1000円に抑えました」
見直しやすい項目
車
自動車税もガソリン代も安くすむ“軽自動車”をチョイス
保険
社会保障をよく調べれば必要最小限で大丈夫
格安SIM
スマホは楽天モバイル、Wi-Fiは楽天ひかりのキャンペーンを利用し、一家で2000円
サブスク
あまり利用していないのに課金だけ継続しているなら、即解約を
光熱費
LED電球や省エネ家電に変えたり、料金プランを見直して
Point2. なんでもすぐに買わない
必要なものがあってもすぐに買わず、ナシでやってみる。まずは家にあるもので代用してみて、それでも必要だと感じたらメルカリやジモティーで中古品をチェック。
「そこにもなければネットで価格を比較して、最安のものを購入します。買うまでに段階を踏むことで、出費にブレーキを」
Point3. 無料でできることを楽しむ
子どもがいるのでお出かけの機会は多い。「まずはネットで『○月○日○○市イベント』と検索。すると市民感謝デーなど無料で楽しめるイベントが結構見つかるんです」。ほかに住宅展示場も無料で楽しめるイベントが多いそう。「新幹線グッズのお土産がいただけたときは、子どもも大喜びでした」
Point.4 情報収集を癖づける
「スマホの格安プラン、安い電力会社などは常にチェック。1回乗り換えたから終わりではなく、魅力的なものを見つけたら、まめに乗り換えています」。また旅行は政府や市区町村で割引制度をもうけていることがあるので事前リサーチは必須。「インスタや雑誌で情報を得ることも多いです」
節約ポイント3 お金を増やす仕組みづくり
ステップを踏んで土台を固めて
現在は大まかに予算管理をしているが、節約スタート時は細かく家計簿をつけていたそう。「何にいくら使っているか可視化することは大事。そのうえで、FPの無料相談などを利用してムダを削り、貯金を生み出す家計の土台作りをしました」。慣れてくれば予算管理もざっくりで大丈夫に。
「あとはストレスなくできる方法を見つけて、継続することが肝心です」
Point.1 使う口座と貯める口座を分ける
生活費は楽天銀行に入れて管理。「条件にもよりますが手数料が無料なので利用しています。貯める口座は金利を重視して、あおぞら銀行をチョイス」。あおぞら銀行の普通預金の金利は0.2%(10月1日現在)。メガバンクのそれと比べると100倍以上! 「預けておくだけで増えるお金なので、少しでも金利が高いところを選びます。あおぞら銀行はゆうちょ銀行のATMが利用できるので使い勝手もいいですよ」
Point.2 ポイントをフル活用する
クレジットカードは楽天カードとJALカードの2枚のみ。「楽天経済圏をフルに使って、ポイントを効率良くためるように工夫しています」。買い物やふるさと納税は楽天市場を利用するが、さらにポイントサイト「モッピー」を通して買うと、ポイント二重取りに。つみたてNISAも楽天証券を使ってポイントをゲットしている。「ポイントだけで年7万円ほどに。ポイントはクレジットカードの支払いとしても使えるし、帰省時の旅費としても活用しています」
Point.3 モノを減らす
目指しているのはミニマリスト。「洋服や子どものおもちゃなどは、なるべく買わない。不要になったらすぐに売るなどして、モノが増えないようにしています」。掃除をするときは断捨離タイムでもあり、ムダなものがたまっていないか、ムダ遣いをしていないかチェック。モノがなければ掃除も手早くできるので、掃除の手間も掃除機の電気代も減り、いいことずくめだ。
Point.4 “ついで”や、すき間時間で稼ぐ
ぴーちさんがおすすめするのが“ついでせどり”。「買い物時にはセール品をチェックし、メルカリで高く売れそうなものを仕入れて転売するんです。子どものブランド服などは利益率が高くて、1枚で1000円くらい稼げますよ」。ほかにメルカリでは、どんぐりやまつぼっくり、流木などが売買されていることも。「お出かけしたときに集めて売れば、臨時収入になります。月1万円くらいなら、これらの方法で簡単に稼げると思います」
Point.5 投資も取り入れる
貯金3000万円を達成した後は、投資もスタートさせた。「物価が上がってくるとお金の価値は実質下がるので、現金資産だけ保有しているのはリスクかも……と考えたためです」。つみたてNISAとジュニアNISAに、月々14万円ほどをまわしている。「資産は何か1つにまとめるよりも、分散させてリスクヘッジしたほうが安心。今後は外貨預金なども検討していきたいです」
節約ポイント4 コスパが悪いものは買わないを徹底
買うに値するか、常に問う
割高なものや、なくても大丈夫なものは徹底して買わない。
「細かいことの積み重ねですが、貯蓄スピードは格段にアップ。とはいえ買ったらダメというわけではないです。買いすぎない、買わなくても支障がないという個人的な意見としてご紹介します」
○○用洗剤
用途別洗剤はきりがないほどあり、100mlで60~90円と値段も高め。「セスキ水なら500mlで約2円、クエン酸水なら500mlで約5円。これがあれば家中だいたいキレイになりますよ」
トイレシート
「いろいろ試してみて、100均の除菌シートで代用するのが一番だと思いました」。大判タイプなら1枚で床から便器までキレイに掃除ができるそう。「これなら1枚4円程度。もちろん、水に流せないのでご注意を」
自分へのごほうび
シュークリームなどスーパーで半額スイーツを見つけるとつい買っていたが、健康にも悪いし、節約も遠ざかるので、今は一切なし。「誘惑に負けそうになったら、お金を払って太りたいのかと自分に言い聞かせています」
コンビニのおにぎり
子どもと出かけているときなど、小腹を満たすために便利なのがコンビニのおにぎり。「でも1個160円くらいと高い! 手作りなら30円程度なので、お昼をはさみそうな外出時には持参」
小分けパックのお菓子
個包装になっているぶん、2倍くらい高くなるものも。「わが家はプライベートブランドで大容量のお菓子がメイン。これを皿に取り分けて食べるのが一番コスパがいいです」
理由が「せっかくだから」
「せっかく旅行に来たから」「せっかくアウトレットに来たんだから」などの理由で買うのはダメ。「買う理由もないのにその場の気分で買うのはムダ遣い。悩んだら買わない、を徹底して」
子どものおもちゃ類
不要品を譲り合うサイト「ジモティー」をフル活用。「おもちゃだけでなく、収納ケースや学習机、ベッド、椅子も無料です。いいものはすぐになくなってしまうので、小まめにチェックしています」
余分な衣類
服は年に2回ほどある「しまむら」のセールで。「1枚100円に下がるタイミングでまとめ買い。子どもの服はサイズアウトしたらメルカリへ、売れないものはウエスにしてから処分します」
フリーザーバッグ
食品用のフリーザーバッグは1枚25円ほど、IKEAで購入しても1枚6円ほど。「食品を冷凍するときは、170枚入り100円のポリ袋を使うか、密閉容器で十分です」
炭酸ジュース
以前は業務スーパーの1リットル69円の炭酸水を購入していたが、炭酸水メーカーを買ったほうが割安だと判明。「炭酸ジュースが飲みたいときは、市販のジュースを自家製炭酸で割って作っています」
お話を伺ったのは…Youtuberぴーちさん
誰でもまねできるシンプルな節約術で、多くの注目を集めている。『4人家族ぴーちの節約』
<取材・文/樫野早苗>