読売ジャイアンツとの3年契約を破棄して自由契約になっていた中田翔選手(34、以下敬称略)が、同じセ・リーグの中日ドラゴンズに入団することが12月3日までに決まった。
2023年シーズンのチーム得点は12球団ワーストと貧打に悩まされた中日・立浪和義監督にとって、3度の打点王に輝いた中田の勝負強い打撃は心強い戦力になりそう。年俸は巨人時代と据え置きの年俸3億円、2年契約と見られている。
「中田が優先したのは出場機会で、中日はレギュラー確約の条件を出したのでしょう。実際、ポジションが重なるダヤン・ビシエド(34)のトレードも浮上していると言います。
1番、2番の岡林勇希(21)や大島洋平(38)が出塁するもホームに返すことができなかった中日ですが、上林誠知(28、元ソフトバンクホークス)、そして中田を主軸に置くことで来シーズンの得点力アップは必至です!」
との野球担当記者が声を弾ませるように、各スポーツ紙には中田獲得に関するポジティブな見出しばかり踊っているが、ネット上の野球ファンは同じようには見ていないようで……。
《中田を今とるんか…。 安楽と何が違うんやろなぁ。》
《安樂と中田翔って何が違うのという気持ちになる。 中田翔も本来は安樂みたいに即解雇でしょ。》
ドラゴンズは応援するけど中田翔は応援できん
《中田翔...くるのか。 複雑すぎて喜べない。 暴力事件→謹慎→移籍復帰までが スムーズすぎて反省してんのかわからんまま試合出てたから応援できへん。 安樂と何が違う? もっと干されるべきやったやろ。 ドラゴンズは応援するけど 中田翔は応援できん》
後輩選手へのパワハラが事実認定されて、東北楽天ゴールデンイーグルスを自由契約になった安樂智大(27)を引き合いに出す声も。かくいう中田も2021年8月、後輩に暴力を振るって北海道日本ハムファイターズを“パワハラ退団”した身。
「無期限の試合出場停止処分を科せられた中田ですが、わずか9日後に無償トレードで巨人に移籍。処分もうやむやなままに即一軍合流、公式戦にも出場したことで日ハムと巨人の両軍が批判に晒されました。
当時は“クビにするべき”などの厳しい声も向けられた中田だけに、同じくパワハラで自由契約になった安樂との処遇の“違い”に納得できない声が上がるのも致し方がないこと。それでも両者に決定的な“違い”があります」
中田と安樂、被害者の処罰感情に違い
パ・リーグを取材するベテランのスポーツジャーナリストによれば、中田と安樂に差がついたのは、騒動背景にあった「被害者の処罰感情」の違いだとか。
「中田が手をあげたのは元より交流が深かった後輩選手で、言い争いから突発的に手を出したことで同選手が試合に出場できなくなって事件が球団に知れてしまった。
被害を受けた選手は問題を大ごとにしたくなく、当日に謝罪した中田への処罰を望まなかったと言いますが、球団として暴行の事実を把握した以上は公表してペナルティーを科すべきと判断したのです」
片や安樂の場合、後輩選手へのパワハラは突発的ではなく常習的に行われていたとされている。
「しかも被害にあった複数選手が自ら球団側に相談をしたわけで、そこに安樂のパワハラを“やめさせてほしい”“注意してほしい”との処罰感情があったのは明らか。
中田のケースとは違って選手間に信頼関係はなく、被害者はただ安樂に対して怒りしか感じていなかったのかもしれません。まあ、報道されているような金銭面での搾取があったのならば当然ですが(苦笑)」(前出・スポーツジャーナリスト)
プロ野球界でも一般企業でも、大切なのはハラスメント扱いされない信頼関係ということか。