'23年12月、映画『グリーフケアの時代に』の上映会で関係者とご懇談された紀子さま

 能登半島地震の発生や、羽田空港での飛行機事故など、想定外の事象が相次いだ年始。皇室でも異例の事態が起こっていた。

紀子さまの体調不良を発表

1月1日、秋篠宮邸で新年を迎えられた秋篠宮ご一家(宮内庁提供)

「1月6日、宮内庁は紀子さまの体調不良を発表しました。昨年末から胃腸の不調が続いていたそうで、今後の公務は体調を見ながら判断するとのことです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 しかし、10日に行われた内視鏡検査では異常は見られなかったという。

「秋篠宮家はプライバシーを重んじるお家ですから、診断で病名が判明する前に体調不良を公表することは極めて異例といえるでしょう。7日、昭和天皇の命日に『昭和天皇祭御神楽の儀』が行われましたが、紀子さまは礼拝を見送られています。皇室にとって重要度が高いこの儀式への参加が難しいことを懸念され、事前に体調が優れないことを世間に“アピール”されたのかもしれません」

 しかし、今回の発表のタイミングについて、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授は「悪手だった」と指摘する。

「元日に能登半島地震が発生し、被災した国民の多くが衣食住に難儀しています。家族を亡くした方もいる中で、今こそ皇室の方々のおことばや、現地への慰問といったお心寄せが求められています。そんな状況下にもかかわらず、改修費などで合計50億円とも報じられている豪邸で休養されることに対して、不満を覚える人は多いでしょう」

 一方で天皇、皇后両陛下は地震発生を受け、迅速な対応を取られている。

「2日、皇室の方々が国民から新年に際して祝賀を受ける行事『新年一般参賀』が予定されていました。しかし、地震発生の翌日とあって、被災地を慮る両陛下のご意向から中止に。また、“時機を見極めた上で、被災地へお見舞いを”とのお考えも示されているそうです。被災者に寄り添う姿勢は国民から絶賛され、紀子さまの間の悪さが浮き彫りとなりました」(前出・皇室ジャーナリスト、以下同)

上皇さまの90歳のお誕生日に際し、赤坂御用地を訪問された雅子さま('23年12月)

 また、一部では雅子さまとの“スタンスの違い”も指摘されている。

「雅子さまは'03年12月に帯状疱疹を発症されましたが、その直前まで、連日の公務をこなされていました。そうした経緯から、病名が明らかになる前に体調の不良を発表された紀子さまに対し、国民からは“早計すぎる”との声が上がっています」

紀子さまの思いが裏目に

 今回の体調不良は、紀子さまの“ある思い”が裏目に出た結果なのかもしれない。

「いちばんの要因は精神的ストレスだと考えられます。長女・眞子さんの結婚騒動以降、秋篠宮家は逆風の最中にあります。昨年は秋篠宮邸の高額すぎる改修費を巡って批判が殺到しました。また、次女の佳子さまが、仮住まいとして使用されていた御仮寓所に残り、おひとりで住まわれていたことも物議を醸しています。こうした批判を払拭するためか、紀子さまは積極的に公務に臨んでおられましたから、お身体にも過度な負担がかかったのでしょう」

 昨年も数多くの公務に邁進された皇嗣妃。

 10月は、地球環境問題への貢献を称える『ブループラネット賞』表彰式にご出席。関係者は当日の紀子さまについてこう振り返る。

「体調が悪いようにはお見受けできませんでした。帰りがけに、わざわざ車の窓を開け、“大変よい式典でした”とスタッフにお声をかけられたそうです」(表彰式関係者)

 また、11月は第一次産業の認識を深めるイベント『農林水産祭』をご視察された。同行事の担当スタッフも、紀子さまの元気なお姿を目の当たりにしていた。

「朗らかな笑顔で過ごされていた印象で、テレビで拝見しているとおり、明るく素敵なお方でしたよ」(担当スタッフ)

 さらに同月、世界各地に在住する日系人が一堂に会する『海外日系人大会』にご臨席。主催者団体の関係者も、体調が優れないようには見受けられなかったという。

「常に笑顔で壇上から参加者を見守っていらっしゃいました。ですから今回の発表はとても意外でした」(大会関係者)

 12月には映画『グリーフケアの時代に』の上映会にご臨席。案内役を務めた益田裕美子さんは次のように語る。

「紀子さまとお会いするのは4年ぶりのことでした。まるでよもやま話をされるかのような雰囲気で“お久しぶりですね”と声をかけてくださいました。朗らかな振る舞いに、会場にいた全員が紀子さまの大ファンになったと思います」

体調不良の前兆も

'19年12月、両陛下は台風19号の被害を受けた宮城県、福島県の仮設住宅をご訪問

 一方で、体調不良の前兆も見受けられたという。

「前回お会いしたときと比べて、お痩せになっていたように感じました。お会いしていなかった期間、秋篠宮家はいろいろなことがありましたから、ご苦労なさっているんだなと」(益田さん)

 公の場では気丈に振る舞う反動からか、私生活ではつらそうになさる一面も。

「眞子さんの結婚問題に悩み、お住まいで涙を流されていたこともあったそうです。さらに“娘を守れていませんね”と弱音を吐かれたことも。また、'22年にはかなりお疲れのご様子で、首を痛めてつらそうにしていらっしゃるお姿もたびたび見受けられました」(秋篠宮家関係者)

 普段はあまりプライベートを明かさない秋篠宮家。今回、体調不良の公表に至ったのには、ある狙いが─。

「秋篠宮家は、情報をうまく“操る”傾向があるように感じられます。というのも眞子さんが結婚騒動の心労から『心的外傷後ストレス障害(PTSD)』を発症された際は、国民からの批判を抑えるためか、早急に発表を行いました。

 しかし、秋篠宮家の最側近である皇嗣職大夫の定例会見で、記者が少しでもご家族に関する私的な事柄を訪ねると“承知しておりません”と口をつぐむそうです。今回に関しては、度重なる秋篠宮家への批判による紀子さまの心労をアピールすることで、国民からの批判を和らげようとしていたのかもしれません」(前出・皇室ジャーナリスト)

 皇嗣妃の異例公表は、国民の目にどう映ったのだろうか。

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数