「えっ、あいつがそんな酷いことを? 知らなかった……。何をしでかすかわからないやつだったから、心配していたんですが……」
容疑者の“元”義理の父親は絶句し、目には光るものを浮かべていた。
警視庁調布署は2月14日、東京都調布市に住む会社員の山口魁容疑者(31)をわいせつ目的略取と不同意性交の疑いで逮捕した。容疑者は昨年12月30日夜、調布市内で酒に酔って抗拒不能な状態となった女子高生にわいせつな行為をしたというもの。
山口容疑者は行列ができる“横浜家系”の人気ラーメン店の店長で、被害者の女子高生は同店のアルバイトとして働いていた。
「事件当日、容疑者は複数の従業員と忘年会を開いており、会が終了すると女子高生だけをタクシーに乗せ、同店の上にある事務所へ。そこで“ズボンが汚れているから”と女子高生の服を脱がせようとした。女子高生が拒否すると“面倒をみてやっているのに、それはないだろう”と言って犯行に及んだ」(全国紙社会部記者)
警察の取り調べに対して、山口容疑者は、
「酔いをさますために事務所に連れて行ったけど、性的な行為はしていません」
などと容疑を否認している。被害者の友人はこう話す。
「彼女が高校入学のタイミングでアルバイトを始めたんです。特に勉強が得意というわけではないけど、明るくて、コミュニケーション能力が高かったので、お客さんにも愛されていました」
被害女性から事件当日の様子を聞いていて、
「タクシーに乗せたあと、容疑者は彼女の家を通り過ぎて、事務所へ連れ込んだ。介抱なんかのためじゃなく、明らかに計画的な犯行ですよ」(被害女性の友人、以下同)
そのときの恐ろしい場面がフラッシュバックしている
被害者は今も性的暴行を受けた“キズ”に悩まされているという。
「表面的には気丈に振る舞っていますが、ときおり体調不良になって、そのときの恐ろしい場面がフラッシュバックしているみたいです。突然、何かを大声で叫んだりすることも。家族は心の傷が一生残るのではないかと、ものすごく心配しています」
さらに山口容疑者は事件直後、罪を認めていたとも。
「容疑者は性的暴力を全面的に認めて、奥さんとともに被害女性の家族に謝罪に行きたいと言っていたと聞いています。ところが、被害女性側が警察に相談すると伝えると、態度が豹変したようです」
いたいけな少女の身体と心を弄んだ疑いのある山口容疑者の素顔を知るべく、まずラーメン店を取材。店はすでに通常営業に戻っており、人気店だけあって昼間は客足が途絶えなかった。そのため、2階にある事務所に向かうと、
「店長が捕まったので、責任者はいません。だから、ボクはよく知らないですが、運営会社のほうへ連絡してください」(同店従業員)
そこで、運営会社の本社へ再三にわたって連絡するも、
「担当者がいません。担当者が誰なのかもわかりません。いつ戻ってくるかも……。社長も連絡できません」
と取り付く島もない対応だった。次に、店から徒歩6分ほどの距離にある容疑者の自宅マンションを訪ねた。築35年の3階建てで、部屋の間取りは2LDK、家賃は月12万円ほど。住んでいる気配はあるものの、日にちを変えてインターホンを何度か押すも反応はなかった。
同店の元従業員によると、容疑者は“粗暴キャラ”だったという。
「身体にはタトゥーが入っていて、とにかくイカつい。気にくわないと、男性スタッフには手が出るのが日常茶飯事。だから、スタッフはコロコロ替わっていましたね。商売っけがある人で、ラーメン店店長の傍ら、スナックの共同経営もしていた」(元従業員)
容疑者は東京都狛江市の出身。小学校に入るころ、シングルマザーだった母親が同市内で建設会社を経営する男性と結婚。その男性が、冒頭の義父であった。
都立高校へ進学するも、とある事件を起こして少年院に入ったため、高校は中退することに。退院すると、リサイクルショップなどで働いていたようだ。その後、世田谷区の建設会社へ就職。同社社長はリサイクルショップの社長からあることを頼まれて雇い入れたという。
「リサイクルショップの社長から“アイツには酒やギャンブルでこしらえた借金が40万円ほどあるので、返すためにも稼がせてやってもらえないか”と言われた」(建設会社社長、以下同)
仕事ぶりはというと、
「頭はキレるやつだから、仕事はちゃんとやればできていたよ。でもやっぱり遊びの方に夢中で、なかなか本腰を入れてやらなかったね。彼が連れてきた子分みたいな若い衆2人は、もう立派になっているけど、やつは2年ぐらいで辞めちゃったね」
“子分”の1人からカツアゲしていた
容疑者は“子分”の1人からカツアゲしていたようで、
「合わせて30から40万円ぐらぶんどっていたらしいよ。暴力を振るっていたかどうかは、知らないけどね」
建設会社を辞めた山口容疑者は再びリサイクルショップへ。だが、またしても職を辞して郵便局など職を転々とし、現在のラーメン店へ入社した。
11年前、母親と義父は離婚しているが、容疑者は義父との繋がりが深かったようだ。5年ほど前、義父の会社は倒産しているが、容疑者は会社を継ぐつもりだったとも。
「そんなことはないと思うけどね……。でも、本当にあいつのことは気にかけていて、月に一度は会いに行っていました。ラーメン店にも毎月、通っていて、先月にも行ったばかり。結婚して子どももいるし、店長にもなった。そんな事件を起こした素振りなんてしなかった……」(前出・元義理の父)
義父の無念とは裏腹に、事実であれば未成年の女性を深く傷つけた非道行為だ。
被害女性の家族には“強い思いがある”という。
「娘をこんな状態にまで追い込んだ容疑者には、しっかりと罪を償ってもらいたいと考えているようです」(前出・被害女性の友人)
性犯罪に巻き込まれた女性たちの多くは泣き寝入りしがちだが、“勇気を持って警察に駆け込んでほしい”とも話していたという。
被害女性の一刻も早い回復を願いたい。