「チャレンジな役で、高倉健さんをイメージして演じました」
連続ドラマ『アルジャーノンに花束を』(TBS系毎週金曜夜10時放送)で、主人公・咲人(山下智久)の同僚・檜山を演じる。母親を守るために暴力的な父親を傷つけ、刑務所から出所したばかりの無口で陰のある役どころだ。役作りに高倉健主演映画『網走番外地』を参考にした。
「周囲と距離感のある役であまり感情を表に出すことがなく、『網走―』の健さんみたいな雰囲気の役だなと思いました。初めて挑戦する役で難しかったけど、アウトローというか、一匹狼みたいな役はやってみたかったので、楽しかったです」
テニスプレーヤーを目指していたが、ケガで断念。高校3年のときに、役者を志すが、父親に反対された。父親は球界を代表する左腕として活躍し、現在は福岡ソフトバンクホークスの工藤公康監督。
「父いわく、スポーツ選手で一流になるよりも難しい。努力しても報われる世界ではない、と。でも20歳になるときに、役者になりたいことを伝えたら、そのときは許してくれました」
5人きょうだいの長男で、かつては"有名人"の父親に反発したことも。
「父には厳しく鍛えられました。今はひとりの男、プロとして父を尊敬しているし、感謝しています」
デビューして3年。まだ不安が多いという役者の世界だが、ドラマ、映画、CMに出演し、勢いのある若手のひとりに成長した。
「味のあるカッコいい男の魅力が出るのは40代、50代からで、そのためには20代、30代の過ごし方が大切だと思っています。20代の残り6年間で何ができるのかと考え、英会話、日本舞踊、乗馬、茶道、習字を習いたいです」
工藤阿須加(くどう・あすか) ●1991年8月1日生まれ。埼玉県出身。’12年にドラマ『理想の息子』でデビュー。NHK大河ドラマ『八重の桜』、TBS『ルーズヴェルト・ゲーム』などに出演。NHK木曜時代劇『かぶき者 慶次』(木曜夜8時放送)にも出演中