ミュージカルを中心に活躍する山崎育三郎が、『下町ロケット』で真野賢作役として出演。
「先日も店で“真野さんですか?”って店員さんに聞かれて“真野ではないですけど、はい”みたいな(笑い)。街で声をかけられたりと、この作品の反響の大きさに驚いています」
本格的な連ドラはほぼ初めてだけに、戸惑いも多いそう。
「ミュージカルは、何か月もみんなで稽古をして舞台に立ちますが、ドラマでは現場でセリフや演技が変更していく。その場で覚えてすぐに表現するというのに最初は慣れず、すごく緊張しました。しかも、それが全国に放送されるのがまた怖い(笑い)。阿部寛さんら先輩方についていこうと必死でやっています」
ドラマ前半の『ロケット編』での真野は、佃製作所の技術者として社長の佃(阿部)に反発するなど、周囲をかき乱すことも。
「真野は仕事へのプライドが人一倍強く、大好きな社長に認めてほしかった。しかし、ロケットばかりで自分の開発を認めてもらえず、ジレンマの中で苦しみ続けた。裏切った行為は許されませんが、社長への愛情や憧れの気持ちは誰よりも強かったと思います」
『ガウディ計画編』では、佃が真野のために裏で再就職の口ききをしていたことへの感謝や、裏切ったことへの後悔から別人のように変身。
「生まれ変わった真野を表現すべく、髪の毛を下ろしてヒゲを剃るのは監督と決めていました。あと、変わったのは声。普段は声が高いんですけど、実はこの作品に入る前にミュージカルで少しのどを痛めてしまい、低くしゃがれ声になってしまって。でも、結果それが前半の真野にマッチした(笑い)。
その後、後半に入りひげを剃ったくらいの時期に、のどが完治したんです。もし、今の状態で前半の真野を演じたら、だいぶ優しい人に見えちゃうと思います(笑い)」
放送はついに最終回を残すのみ。
「社長が夢を諦めず自分の信念を貫き通す姿。悪役だった人たちが、社長と出会ってどう変化するのかが見どころです。真野もガウディという夢に向け突き進むので、注目してください!」
撮影/佐藤靖彦