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 13話(4月3日放送)で前半のヤマ場『第1次上田合戦』を迎える『真田丸』。「こんな戦国時代の描き方、見たことない」と話す、主演の堺雅人が明かす三谷脚本の魅力と、これからについて聞いてみた。

 身の回りで起きた“死”にいろいろなことを教えられ、合戦の前、信繁はうめ(黒木華)と祝言を挙げ、娘を授かり自分の家族を作った。

「父になるということもそうですが、彼女との祝言は、今まで大地を忘れてぴょんぴょん飛び跳ねていた人が、大地を意識するというか、地面に根を張り、初めて信濃の一員になる儀式だと思うんです。

 ただ、父になることや祝言を挙げることはめでたいことだけど、それに伴う責任で身動きがとれなくなるという事実もあるわけで……。それは最終的に信繁が“死”に向かう楔にもなっているのかな、と思っています」

 堺は、三谷の脚本が緻密な計算のもとに構成されていると話すが、その内容も、三谷に現場の雰囲気が伝わるにつれ、少しずつ変わってきているという。

「いわゆる当て書きですね。放送が始まってから、現場と三谷さんの間で“キャッチボール”が始まって、それがますますキャラクターやシーンを生き生きとさせている気がします」

 堺がいちばん感じたのは、西村雅彦の起用法だという。

「“黙れ、こわっぱ!!”のセリフをあそこまで重ねてくるとは思いませんでした。ちょっと悪く言ってしまうと調子に乗っている(笑い)。三谷さんの中で西村さん演じる室賀が、生き生きとしだしたんでしょうね。“黙れ、こわっぱ!!”は流行語大賞を狙ってほしいくらいの、汎用性のある言葉です(笑い)」

 第1次上田合戦の後、信繁は“人質”として大坂へと向かう。そこからは、これまでのストーリーとは流れが変わる、と堺はこう明かす。

「13話まではどこの話をとっても、短編として見ることができる、面白い物語が13本並んでいる感じです。14話からはちょっとリズムが変わってくるというか、まったく別クールのドラマみたい、というのが僕の印象です」

撮影/佐藤靖彦