「“これ以上はない”という手ごたえを感じています。本当に心も身体も、今はこの作品と紗崎玲奈に捧げてやっているので。毎日がすごく充実しています。手ごたえしかないくらいです」
『探偵の探偵』(毎週木曜夜10時〜フジテレビ系)に主演している北川景子が、熱を帯びた目で語る。
演じている紗崎玲奈は、愛する妹をストーカーに惨殺され、絶望の淵で決意、豹変する。自らを徹底的に鍛え上げ、犯人に手を貸した悪徳探偵を突き止めるべく、“探偵を探偵する探偵”に。スマリサーチ社の“対探偵課”で孤軍奮闘する彼女を駆り立てているのは、怒りと復讐心―。
「今までの探偵ものって“犯人はこの中にいる……お前だ!”みたいな。推理とわかりやすさというイメージでしたが、この作品は全然違う。探偵といっても正義の味方ばかりじゃなかったり、“これじゃ暴力団と一緒じゃないですか”と(相棒役の)川口春奈ちゃんのセリフがあったくらい、ハードボイルド」
目を見張るのは、そのアクション。北川はクランクイン1か月半以上前から、キックボクシングほか、アクションの練習に費やした。
「玲奈はただ強いだけじゃなく、けっこうやられるんですね。“普通だったら死んでるでしょ”というくらい(笑い)。とことんやられても“妹の仇”という思いから立ち上がる。パンチも、とにかく男らしく(笑い)。“自分の手を壊しちゃうんじゃない?”と思われるくらいやっています。実際、アザもたくさんできていますが、自分を守りながらのアクションではないところに注目してもらえたら」
スタイル保持のために走ることはあった。しかし、今回は玲奈になりきるため、見た目だけの筋肉ではなく、ちゃんと動かせる筋肉を負荷をかけながら作り上げた。
「プロテインとアミノ酸を毎日飲んで。だいぶ体重も増えたし、男らしい肉体を手にしたことがすごく自信につながっていると思います」
とはいえ、女性が大きく力強い筋肉をつけようとは、なかなか思わないのでは?
「もともと綾瀬はるかさんみたいな感じではないですし(笑い)、やっぱり今回は、玲奈の存在感や見た目次第で、ドラマがよくも悪くもなると思ったので。あとは、ちょっと男らしい性格なので。自分に筋肉がついていく様子がうれしくて、毎日写真を撮っています(笑い)。プロテインを持ち歩く自分に、ちょっと酔ってる部分があるのかもしれません(笑い)」
決して泣き寝入りしない主人公に共感するし、今、この作品を演じられている自分がすごく好きだとうれしそうに語る。
「たぶんデビューして、お芝居を始めて、今がいちばん楽しいかもしれません。ヒロインではなく、主演であるのも本当にうれしい。自分が作品の頂点に立って、みんなを引っ張っている状況も。光と影の分量は一緒なので、スポットライトを当てていただいているぶん、課せられている責任も大きいんですけど、それもまたうれしいんです」
屈強なる女優が命を燃やしている―。