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 CMやバラエティーなどで人気のすみれが『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』でスクリーンデビューを果たす。

「中学のときの授業でお芝居に目覚めたんです。私の通われていた……、ん? じゃなくて、通っていた学校では(笑)、昔の人々を演じることで歴史を学ぶ授業があって。それが楽しくてお芝居に興味を持ったんです」

 '15年に急逝した今井雅之さんが手がけた舞台の映画化で、軽度な知的障害を持つ主人公(川平慈英)が旅先で出会う、おしゃべりな女性を演じている。役との共通点ってなにかある?

「今回の役は、私に似ています。人に対してオープンだったり、周りを気にするわりに自由とか、しゃべりはじめると止まらないとか(笑)。主人公の境遇と自分の生い立ちに重なる部分も多く、グッとくるものがありました」

 両親の離婚で7歳のときに母・松原千明とともにハワイへ移住。離れて暮らすことになった父・石田純一には、当時、こんな思いを抱えていたという。

「パパがいなくなったのは私のせいかな、という思いがありました。この映画の中でも主人公がお父さんに“なんでいなくなったの?”と問いかける場面があるけど、すごく共感できて。みんなと違うからという理由で主人公がいじめられるシーンでは、“文化の子”と言われたことや、英語がしゃべれなくて苦労したときのことを思い出しました」

 石田と再会したのは17歳のとき。何がきっかけだった?

「小さいころはパパに対して怒っていたけど、ちゃんと話を聞いてみたいと思うようになって。大学の学費の相談もしたくて、私から手紙を送ったんです。10年ぶりのパパはイメージどおりでした。いい人だなと思ったけど、チャラチャラしていて(笑)。“ズボン短すぎじゃない?”とか、ツッコんだと思います(笑)」

 それからの仲よし父娘ぶりは、ご存じのとおり。石田の再婚相手・東尾理子とも家族ぐるみで交流している。現在3歳半の弟と生後2か月の妹がいるけど、それって正直、どんな気分?

「自分の子どもになれるくらいの年の差なので、わけわかんないですよね(笑)。でも、ふたりともすご~くかわいくて! 30歳までに子どもを産みたいという気持ちがますます強くなりました」

 ということは、そろそろ結婚を考えていたりする!?

「結婚願望はバリバリあります! 好きな男性のタイプ? パパと似た人は、NO、NO、NO~です(笑)。浮気もチャラいのもNG!“パーティーピーポー”もダメ(笑)。私だけを思ってくれる人で、しっかりしている人がいいな。だけど結局、しっかりしていない人と結婚しちゃいそう……(苦笑)」

 その分、子どもがしっかりした子に育つのではというと、「確かに! イエーイ!」と、記者に元気よくハイタッチ。

 今秋には映画『The Shack』でハリウッドデビューも控えている。あらためて女優業は楽しいか聞いてみた。

「お芝居は超難しいし、どれだけやっても納得しないものだけど、だからこそ面白い! これから先も、いろんな役にチャレンジしてみたいな」

映画『手をつないでかえろうよ~シャングリラの向こうで~』

 知的障害を持つ真人(川平慈英)はかつて愛した女性との約束を思い起こし、伊勢神宮へと車で向かっていた。その矢先、ヒッチハイクする麗子(すみれ)に出会い、車に乗せることに……。

 '15年に急逝した今井雅之が企画・原作・脚本・主演を務めた舞台を映画化。監督の奈良橋陽子を筆頭に、主演の川平慈英、中居正広、別所哲也など、今井にゆかりのあるキャストが集結。5月28日(土)より、お台場シネマメディアージュほか、全国順次公開。

撮影/高梨俊浩