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 5月14日に公開された映画『殿、利息でござる!』で映画デビューした羽生結弦。仙台藩主の伊達重村役を演じた氷上のプリンスは、スクリーンの中でも高い評価を得ているという。

 この映画で共演したきたろうは、彼の演技の様子や撮影の裏話を5月11日放送の『大竹まことのゴールデンラジオ』(文化放送)でこう振り返っている。

大竹「殿(羽生)とは一緒のシーンはあるの?」

きたろう「ありましたよ。その当日ね、誰が来るか出演者には知らされてないのよ。サプライズなの。だから、オレなんか仙台藩だから、サンドウィッチマンのどちらかが来るんじゃないかなって思っていたの。ところが羽生クン!」

大竹「最初、わかった? 羽生クンだって」

きたろう「わかったよ。羽生クン知らない人いないだろ! フィギュア見たことないのかよ」

大竹「でも、カツラつけて、写真見た感じでは、ちょっとすっとぼけた感じじゃん」

きたろう「でも、品があってね、セリフもお見事だった」

大竹「ホントなの?」

きたろう「ホント、ホント。NGも1回か2回くらいしか出さないで意外と長いセリフを見事に。やっぱ表現者だからね度胸があるの。フィギュアであれだけ表現するんだから」

 撮影は昨年7月に山形県鶴岡市で行われた。それにしても、共演者にさえ羽生の出演が当日まで明かされていなかったというのは驚かされる。だが、ラジオはこのあと、思わぬ方向へ話が進むことになる。

きたろう「でも、お母さんが一緒に来るのね。まだ子どもだから」

大竹「え、もう20歳だろ」

きたろう「で、いろいろ話したのよ。お母さんとも羽生クンともね。“同性愛者は多いんじゃないの? このフィギュア界は”って聞いたら、“意外と多い”って言っていた。これは別にカットしてもらっていいんだけど。あ、生だったな。“じゃ、君はそうなの?”って聞いたら“僕は違います”って言っていた」

大竹「出てけ!」

きたろう「“違います”って、はっきり言っていたよ」

大竹「出てけ!」

きたろう「平気で話したもん。楽屋でね」

 いったい、どんな表情できたろうの質問に答えていたのだろうか。ラジオのオンエアから1週間後、レギュラー出演している同番組終了後に、きたろうを直撃取材した。

――先週のラジオで、羽生選手の“同性愛疑惑”について話されていましたが?

「あ、その件ね。ラジオで話したとおりだよ」

――どんなシチュエーションで聞いたんですか?

「楽屋でね。でも、バレエとかフィギュアの世界では(同性愛者が多いということは)常識だもんね」

――この選手がそうとか、具体的な名前は出たんですか?

「ない、ない(笑)。自分(羽生選手)は違うから、そういうのは多いですよって話だから」

――きたろうさんの質問に、羽生選手は困ってなかったですか?

「全然、笑顔。お母さんも笑っていたもん。だって、一般論だからね」

 そう話すと笑顔でラジオ局をあとにした。

「確かに羽生選手の周りには、ゲイであることをカミングアウトしていたり、同性婚している人が多いんです。彼のコーチであるブライアン・オーサーや振付師であるジェフリー・バトル、そして彼の衣装をデザインしたジョニー・ウィアーもそうですよ。なので、羽生選手が“多い”と答えたのも自然なことなんでしょう」(スポーツ紙記者)

 それにはフィギュアというスポーツの特性も関係しているという。スケート連盟の関係者はこう話す。

「フィギュアは表現力の勝負ですから、どうしても女性的な感性や美的センスが求められるんです。現在はアダム・リッポンや、ペアのエリック・ラドフォードなど、現役時代から同性愛者であることを公表する選手が出てきています。フィギュア界はゲイなどのLGBTに対する差別はほとんどありませんから」