「やせるつもりで太るものを選択していることが問題。低カロリーだけではやせません」と語るのは、ダイエットのカリスマカウンセラー、伊達友美先生。女性にありがちなかダイエットの間違った常識とは?
■カロリーを気にすると、やせにくく太りやすいエコカー体質に!
私のところにダイエットの相談に来るのは、1日1500キロカロリーほどしか食べないのに「やせない」という人も多いです。
低カロリーの食生活を続けると、身体がそれでも生きていけるように消費カロリーを抑えます。さらに食事を減らすと摂取カロリーも減るので、そのうちエコカーみたいに省エネなやせにくく太りやすい体質になってしまう。
確かにカロリー制限が必要な肥満症の人もいますが、一般の日本女性のダイエットに必要なのは、体脂肪を燃やすために必要な栄養素をとって、代謝の高い身体を目指すこと。ガンガン食べても太らない肉食系女子のほうがよくないですか?
■大切なのは3大栄養素。身体に正直な食べ方を
まず、体脂肪を燃焼させるためにはタンパク質が必要です。人間の場合、大豆製品などの植物性タンパク質は吸収が悪く筋肉になりにくいので、肉、魚、卵をしっかり食べましょう。女性にはタンパク質が大幅に不足している人が多いです。
できるだけ避けるべきと思われている油分は、身体にとってもっとも大切な成分。筋肉や内臓など身体のほとんどはタンパク質が主成分ですが、脳の50%以上は脂質でできています。また、細胞のほとんどは糖をエネルギーに働いていますが、心臓のエネルギー源は脂質がメーン。さらに女性ホルモンも脂質の一種、コレステロールでできていて、油抜きは身体に大きな負担をかけるのです。
そして、糖質オフダイエットが注目されていますが、炭水化物は身体や脳を動かすエネルギー源。極端に制限すると自律神経のバランスが崩れ、代謝が落ちる要因になります。
身体になにより重要なのはタンパク質、脂質、糖質の3大栄養素。その次にビタミン、ミネラル、食物繊維、抗酸化成分という順番でとってほしいですね。
■人は幸せになるために食べるのです
それなのに「野菜がいちばん」と考えている女性がほとんど。きちんと身体を作るもの、エネルギーになるものが後回しになってしまう。野菜はあくまで添え物なので、筋肉も骨も作れません。
食べ物を体内に取り入れる目的は、身体に必要な栄養を補給するためと、心に必要な栄養を補給するための2つだけ。
身体にも心にも役に立たないものは、食べる意味がありません。そして、大人はどんな食べ物でも、本当にお腹がすくまで口に入れてはいけません。もらったから、身体によいからと、好きではないものを食べるのもNGです。
人は幸せになるために食べるのです。ダイエットの間違った常識にとらわれて、苦痛を感じながら食べるのではなく、自分の身体に正直な食べ方がベストなのです。
〈伊達友美先生のプロフィール〉
管理栄養士。5000人以上の食事指導を経験。ボディーラインと肌を美しく変身させることを目的とした指導法が人気を呼び、テレビや雑誌で大活躍。日本抗加齢医学会認定指導士の資格も持つ。銀座アンチエイジングラボラトリー所属。オフィシャルブログ「ダイエットの女王ブログ」が人気。
(取材・文/宮下二葉 イラスト/鈴木 七)