しかし日本人力士が最後に優勝したのは、なんと2006年の栃東まで遡らなければいけないほど。いったいどうすれば強くなる?
「はっきり言って無理。モンゴル勢のようなハングリー精神はないし、欧州系力士のような体格もない。日本人横綱誕生を期待したいけど、大関でも御の字と思わないと」(40代・女性)
‘98 年の若乃花を最後に、なんと約17年間、日本人横綱は誕生していない。相撲協会も2002年に外国人力士枠を1部屋につき1人に制限するなど対策を練っていたのだが……。
「在籍する外国人力士が日本国籍を取得したら、新たに外国人力士を入門させる禁じ手を使う部屋もあった。2010年に『外国“出身”力士を1部屋1人まで』に改定したけど、日本人力士を強くする前に、どの部屋も強い力士を育てて経営を安定させたいという思いがあるはず。日本人にこだわれ! というのは酷な気がする」(50代・男性)
大麻問題、八百長問題などなど、各界の浄化活動に努めてきたからこそ土俵際から盛り返した大相撲。一枚岩に見えるようで、業界全体で見直していかなければならない問題も多い!?
「強さばかりに目がいきますが若貴ブームのときは個性的な日本人力士が多かった。旭道山、琴錦、舞の海、水戸泉……相撲という競技に幅があったように思う。それだけ運動神経がいい人も多かったわけで、多種多様な人が角界に憧れを持っていたのかもしれない」(40代・男性)
「給料をもらえるのは関取以上、おまけに引退後、親方になれるのはごくわずか。社会保障が不透明すぎる。ハイリスク・ローリターンの世界ですから、安定志向を求める現代っ子には敷居が高い。有望な人材が他競技に向かうのは当然」(30代・女性)
悪童・朝青龍にまで「日本人力士は家族愛が不足し甘いものも食べすぎ」と心配される始末……。でも、この窮状を一番真摯に考えているのは相撲協会のはず。
「ハングリーさがないと言い切るのは、応援する側としても無責任だと思う。ハングリーさがないのだとしたら、力士だけではなく、時代の責任もある。相撲観戦をする人が戻りつつあることで、比例して相撲に関心を持つ人も増えているはず。そういう人を引き込む柔軟性を協会には期待したい」(50代・女性)