kumamotojishin0419

 普段と何も変わらないように思えたその夜、床下からドーンと衝撃が突き上げ、部屋ごと大きく揺さぶった。路上では破裂した水道管が水を噴き上げた。

 熊本県を中心とする九州地方で14日午後9時26分ごろ、九州では観測史上初めてとなる最大震度7の大きな地震が発生した。震源の深さは約11キロと浅く、地震の規模をあらわすマグニチュード(M)は6.5。

 震度7を記録した同県益城町などで家屋の倒壊が相次ぎ、複数の住民が下敷きになった。同県では大きな余震などが続いており、16日現在で死者計41人、2000人以上が手当てを受けている。

 最初の地震でなぜ、益城町で被害が拡大したのか。立命館大学の歴史都市防災研究所の高橋学教授が説明する。

「M6.5という地震の規模じたいはそれほど大きくはないんです。国内では5年に3回くらいの割合でM7クラスの地震が起こっていますから。ただし、内陸直下型地震だったのでダイレクトに早く揺れが伝わってしまいました。

 さらに熊本は地下水が豊富で、特に益城町は湧水で有名な水前寺公園に近く地盤がかなりやわらかい土地として知られています。震度というのは家屋の倒れ方で決めます。

 家屋倒壊がひどかった1995年の阪神・淡路大震災のときに震度7を設定したんです。ぜい弱な地盤であるということを踏まえ、余震には十分注意してください」