公生は、周りから求められる人だってことを理解して演じたい

――お互いに舞台で共演してきて、感心するところは?

和田 子どもの部分もあるし、おちゃらけるのが好きなところもあるんですけど、シンタはブレない人なんで。やっぱり作品とか稽古に対する姿勢とか、誰よりも作品に責任を持とうと思ってるヤツですね。主演のときは座長として自分がしっかりと引っ張っていこう、背中で見せようという部分が、すごく刺激を与えてくれる役者さんです。

安西 ……。

和田 ないんかい!(笑)

安西 アハハハ! 初めて『合唱ブラボー!』で出会って、『戦国無双』、『K』そして今回ですけど、会うたびにオーラが増してるんですよね。人として大きくなってるっていうことをすごく感じます。で、その上で毎回会うたびに、舞台上でも成長してる。俺が言うと偉そうになっちゃいますけど。確実に結果を残してるってことが、一番すごいと思ってます。

左から和田雅成、安西慎太郎 撮影/森田晃博
左から和田雅成、安西慎太郎 撮影/森田晃博
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――この作品で、何を一番大切にして演じたいと思っていますか?

和田 渡はチャラくて、とてもいいやつなんですけど、幼馴染みの公生に与える影響ってすごく大きいと思っていて。ときどき、すごくいいこと言うんですよ(笑)。公生が踏み出す一歩を、渡が後押ししてる部分があると思うんですよね。「理不尽に恋に落ちるんだ」とか、「星は夜、輝くんだぜ」とか、渡じゃないと言えないんじゃないかなって。普通に聞いたら“何それ?”って思いそうですけど、渡が言うとまったく嫌味がないし。そこは素直に自分の言葉として発したいなと思いますね。

安西 公生は逆に、影響を与えるときもありますけど、大半が影響を受ける側なんで、受ける側っていうことと、あとはすごく人に求められるっていうか。いろいろな人たちから必要とされる人だなって思うんですよ。

――みんなが、公生がピアニストとして復活することを待っている。

安西 だからそういう人間であるっていうことを、ちゃんと理解してやっていきたいなと思いますね。

■舞台『四月は君の嘘』とは?

 月刊少年マガジンに掲載され、コミックスの累計が500万部を突破した同名の人気漫画を舞台化。天才ピアニスト・有馬公生は、母の死をきっかけにピアノから遠ざかる。そんな公生を心配する幼馴染みの澤部椿や渡亮太と学生生活を送るが、中3の4月、同い年のヴァイオリニスト宮園かをりと出会い再び鍵盤に触れることに。かをりとの日々が公生の世界をカラフルに変えていく。

<公演情報>
東京公演:2017年8月24日(木)~9月3日(日) AiiA 2.5Theater Tokyo
大阪公演:2017年9月7日(木)~9月10日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
公式HP:kimiuso-stage.com/

<プロフィール>
あんざい・しんたろう◎1993年12月16日、神奈川県生まれ。舞台『K』など2.5次元のほか、さまざまなジャンルの舞台で主演を務め、繊細な演技で観客を作品に引き込む実力派。日本テレビ系連続ドラマ『男水!』にもメインキャストで出演。

わだ・まさなり◎1991年9月5日、大阪府生まれ。A型。舞台『弱虫ペダル』、『おそ松さん on STAGE』、舞台『刀剣乱舞』等、話題作に次々と出演し人気急上昇中。テレビ神奈川『猫のひたいほどワイド』に月曜日のレポーターとして出演。

(取材・文/井ノ口裕子 撮影/森田晃博)