「いただキーマカレー!」
「いただきマスカレード! 庄野真代!!」
2月18日は五輪中継のために放送休止となったが、翌週25日の第6話では、17%と高視聴率を叩き出した『99・9━刑事専門弁護士━』。松本潤演じる若手の個性派弁護士が、食事の前後や事件解決前にポツリとつぶやくオヤジギャグが話題を呼んでいる。
「今シーズンでは松本さんと香川照之さんがミーティングと称して食事に出かけるほど、熱を持って取り組んでいるそう。アドリブでほかの人がギャグをかぶせてくることもあるので、序盤は笑ってNGになってしまわないように必死でした」(芸能プロ関係者)
このダジャレに熱意を持っていたのは、松本と香川だけではない。演出家の木村ひさし氏が、誰よりもこのシーンにこだわっていたとか。
「とにかくギャグやダジャレの部分に時間をかけるんです。セリフの間合いや顔の角度などが少し違うだけでも“もう1回やろう”と。“そんなに時間をかけなくても……”って周囲も思ってしまうほどなんですが、そこがこだわりなんですよね(笑)」(制作会社関係者)
ダジャレを受けると北風の効果音が流れ、「さむっ」「6点」などと共演者が冷ややかな評価を行うのだが、現場の空気感は相変わらずアツいようだ。その熱意ゆえ、
「一般的にドラマスタッフはクランクインの日からクランクアップの日まで、ほとんど休みはありません。特に現場のスタッフは撮影が休みの日も編集作業や片づけなどがあるので、帰ることができないんです」(スポーツ紙記者)
役者は出番がない日や撮休日があるが、スタッフはそうはいかない。
近年では、厚生労働省が『働き方改革』を推進しているが、ドラマの現場ではこういった取り組みを行うことは難しい。
「非正規雇用の処遇改善、賃金引き上げと労働生産性の向上、長時間労働の是正など9つの分野での改善策が挙げられています。テレビ業界でも撮影終了時間の設定や段階的な宿泊業務の廃止を行っているところもありますが、すぐには実現できないのが現状です」(同・スポーツ紙記者)
しかし、『99・9』の現場では実行されているという。
「スタッフがシフト制になっているんです。ディレクターやADが朝早くから仕事をしていると、ちゃんと夕方には代わりのスタッフが来るんですよ。現場からは“集中して仕事ができる”と好意的に受け止められていますよ」(前出・制作会社関係者)
TBSにドラマ現場の『働き方改革』について問い合わせたところ、
「期日までの返事は難しい」
とのことだったが、いい作品を作るためには、しっかり休むことも必要なようだ。