「今の時代、今回のような事件で、報道を抑えようとするのは無理です。呼称に関して忖度するくらいでしょう。それはほかの大手事務所に関しても同じです。だからと言って、事務所の力がなくなったとか、崩壊だと取るのは短絡的です。
ジャニーズ事務所は今、近代化に向けていろいろ試行錯誤していますし、何しろ活躍しているタレントが多く、層が厚い。そう簡単に崩壊はしないでしょう。
ただジャニー社長のプロデュース能力とタレント発掘能力、メリー副社長の経営能力を受け継ぐ人が出てこないとどうなるかわかりませんが」(前出・芸能プロ関係者)
また、
「影響力がなくなったことは、決してマイナスではないと思います。テレビ局やメディアと芸能事務所の本来あるべき関係に戻ることができるわけですから。事務所の力に関係なく、実力のあるタレントや俳優が起用されるという、あるべき姿にです」(テレビ局関係者)
山口に下された処分は当然と言えば当然。しかしファンの中には厳しいと指摘する人もいる。そんなファンの心理を考慮してか、事務所がマスコミに送ったFAXには、
《山口の置かれている状況などを鑑み、彼を育ててきた立場として、社会に責任を果たすために必要な支援を今後も積極的かつ継続的に行って参る所存でございます》
という一文が添えられていた。
「不祥事を起こしたとはいえ、会社に多大な利益をもたらしてくれたタレントをバッサリ切るだけじゃない、ジャニーズ事務所は冷血ではないと言いたかったのでしょう。これによって、SMAP騒動で悪化したイメージは回復するのではないだでしょうか」(前出・芸能プロ関係者)
CDデビューの廃止、ウェブでの写真使用解禁など、ジャニーズ事務所も時代に沿って変貌しつつある。その過渡期で起きた事件は、芸能界の、あるいは事務所の未来を左右するのかも⁉
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。