酷暑を上塗りするように、熱い映画対決が繰り広げられつつある。
日本テレビ系のアニメ映画『未来のミライ』VSフジテレビのドラマから映画化した『コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜』。
「視聴率争いでは、民放1位の日テレに対して、民放3位4位を行ったり来たりのフジテレビ。両者の差は歴然ですが、映画の興行収入はまた別。観客にどれだけ支持されるかですからね」
と、スポーツ紙の放送担当記者。事前のプロモーションにも力が込められる。
力が入るフジテレビ
「情報番組に、上から指令が下りてくるんですが、映画イベントがあれば長く放送し、その代わり他局の映画の宣伝はなるべくしないようにというお触れが出ます」(情報番組デスク)
公開映画の注目を高めるため、編成も注力する。
「日本テレビは『金曜ロードSHOW!』で、『未来のミライ』と同じ細田守監督作品の『時をかける少女』と『バケモノの子』を2週連続(7月20日・27日)で放送します。細田ファンは根強いですからね、局側も期待を寄せていますよ」
とテレビ誌ライター。ところがそれを上回るのはフジテレビなんです、と次のように続ける。
「公開週の深夜には『コード・ブルー 〜もう一つの日常〜』というスピンオフドラマを5夜連続(7月23日〜27日)でオンエアし、公開翌日には土曜プレミアムとして『コード・ブルー特別編〜もう一つの戦争〜』をオンエアする力の入れようです」
興行収入が如実に発表される映画界だけに、力が入るのは当然。
「でもフジテレビの5夜連続は、関東ローカルの番組なんです。そのあたりが、全国放送を使ってプロモーションをする日テレとの、腹のくくり方の違いというか」(映画サイト記者)
『コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜』は、ジャニーズの山下智久が主演であるため、
「大ヒットは義務付けられているような作品。フジテレビとして失敗は許されない。日テレの細田監督作品は、アニメファンは確実に見るし、それ以外のファン層も多い。
細田作品が公開された翌週、つまり細田作品の2周目に公開される山下の主演作が、週末の興行収入成績で細田を抜いて、1位になれるかどうかがカギでしょうね」(前出・映画サイト記者)
ちょっとした夏の陣、結果は観客が決める。
<取材・文/薮入うらら>