フリーアナウンサーの森本毅郎(79)は、古巣のNHKのミーハーぶりに相当、嫌気が差したようだ。
28日朝、キャスターを務めるTBSラジオの朝の情報番組『森本毅郎スタンバイ!』の冒頭で、NHKのはしゃぎっぷりをチクリと皮肉った。
「“自分は詳しくないんだけど、大相撲を見ていたらテロップが入った。夜のニュース番組で扱う。この問題はNHKに任せましょう”、とユーモアに皮肉を織り交ぜてしゃべったのです」
ラジオを聞いていたというスポーツ紙記者はそう伝える。NHKのさらなるはしゃぎっぷりは、そのラジオ番組の直後にも明らかになっている。朝番組をチェックしていた情報番組デスクは、
「朝の7時のニュースのトップニュースが嵐の活動休止ですからね。扱うのは当然ですが、トップ項目で報じることですかね?」
と首をひねる。
嵐不況、業界直撃
その際、オンエア素材としてふんだんに使われたのは、NHK紅白歌合戦の画だ。
白組の司会を嵐がグループとして担当したこともあるし、ここ数年はメンバーのひとりが担当している。すでに嵐なくして成立しないほど、嵐の存在感が大きくなっているのが紅白なのである。
「普通に考えれば、活動最終日の2020年12月31日に紅白で有終の美を飾る、ということだと読み取れます。NHKも今年来年と、嵐、嵐でいけますからはしゃいでいる理由もわかります。ただ問題は、その後、嵐が活動休止した後、誰がその穴を埋めるかということですよ」
スポーツ紙デスクは、先々を見通す。
テレビ番組は視聴率の穴埋めをしないといけない、音楽業界は嵐級にCDやDVDが売れるアーティストを作り出さなければならない。コンサートグッズの業者は、商売を縮小しなくて大丈夫なのか。
巨大な集金マシーンとなった嵐ゆえ、その後にどうなるかが音楽業界全体の課題になる。
「消費増税がアップされる前と同じく駆け込み需要があると思いますが、増税後に景気が後退したのと同じ“嵐不況”がエンターテインメント業界に訪れると思いますよ。
ジャニーズ事務所の中にも、嵐の穴を埋められる次世代のアイドルはまだ育っていない。若手ではKing & Princeが期待されていますが、ジャニーズ事務所がマネジメントしたからといって、嵐のようなスーパースターがおいそれと作れるわけはない。嵐ロスは日本を直撃しますよ」(前出・スポーツ紙デスク)
“嵐不況”……。そんなことが取りざたされるのも、それほどまでグループが巨大だということの証拠である。
<取材・文/薮入うらら>