第1報を受けても、スポーツ紙やワイドショーは案外、混乱しなかったという。
「ジャニー(喜多川)さんを見舞ったタレントがいろいろコメントを出していましたが、誰も、会話をした、とは言わなかった。TOKIOの城島茂が6日のテレビの生放送で『思ったより顔色がよかった』と発言したことで、もう会話はできない状態なのだと判断しました」
と語るのはスポーツ紙の芸能デスク。続けて、
「救急搬送された日から、いろいろ原稿を蓄積しました。歴代J担(ジャニーズ担当)記者にも出稿を頼みましたし、昔のジャニーズ事務所を知るOB記者にも原稿を頼んでいましたので、紙面を埋める分量はありますね。裏方ですけど、5面6面は割くと思いますよ。唯一、迷ったのは元SMAPの3人のコメントをどうするかということ。ジャニーズへの配慮はありますからね」
そう紙面づくりの舞台裏を明かし、
「案外、混乱はなかった感じですね」と付け加える。
頭を下げられない生粋の二世
“ジャニーズ帝国”を一代で築き上げ、男性アイドル市場を独占したジャニーズ事務所社長、ジャニー喜多川氏。6月18日に救急搬送され、その後、容体がつまびらかにされることはなかったが、7月9日午後4時47分に永眠したと、所属事務所が同日夜に発表した。
通夜・告別式は、所蔵タレントとJr.による『家族葬』を執り行うという。
「ジャニーズ事務所は1962年の設立以来、スポーツ紙と一心同体でやってきて、ジャニーさんもJ担をとてもかわいがっていました。なので葬儀に関する取材もすすめ、なんらかの形で記事にする予定でいたようですが、すでに事務所から“一切も触れてくれるな”と、お達しがあったようです。
ということは、もちろんテレビもNG。テレビの場合はお達しが出る前に、“ジャニーズ配慮”で現場に撮影クルーを出すこともしない、という方針ですけどね。もし出してしまえば、後日行われるお別れ会を締め出される恐れがあるからです」と、情報番組のデスク。
ジャニー喜多川氏と両輪を担ってきた藤島メリー泰子副社長(92)が健在で、判断を下せる状況である限り、
「テレビ局は、メリーさんを気にしてあらゆることを忖度しますが、メリーさんがこの先、10年20年と第一線にいることは考えにくい。新社長に就任する、メリーさんの娘である藤島ジュリー景子副社長(52)もクレバーな人物として業界では知られていますが、いかんせん頭を下げられない生粋の二世。どちらにしても“ジャニー・メリー体制”の双頭政治は終焉です」
体制崩壊後の芸能界に、どんな荒波が押し寄せるのか。どんな荒波を作り出そうという勢力が暗躍するのか。求心力を失った帝国が崩れ落ちるか、これまで同様、力をキープし続けるのか。事態はそっと動き始めたばかりだ。
<取材・文/薮入うらら>