並びは一見、グループのデビュー年やジャニーズ事務所への入所年、もしくは年齢順などで配置されているように思える。しかし、'87年に入所し、'91年にSMAPとしてデビューした木村が、'87年にデビューした光GENJIの2人よりセンターにいるのはおかしいことになってしまう。

 岡本が所属した男闘呼組も光GENJIの翌年、'88年デビュー。50歳の岡本は、内海(51歳)より、1つ年下で、ここも整合性がつかない。

 それを考えると、この並びは、タレントとしての幹部の順位を示していると思われる。平たくいえば「偉い順」ではないか。

 その意味で、マッチと木村の間に立つ岡本のポジションがガ然、意味深く思えてくる。

 実は岡本は、ジャニー社長からとても寵愛(ちょうあい)されたメンバーなのである。訃報に接して発表したエピソードでも、いかに愛されていたかを印象づけられた。岡本が17歳のときに母親がなくなり、その通夜でジャニー社長は、朝まで徹夜で線香とロウソクの灯を絶やさないように守ってくれたという。

 岡本は「常人離れしたたくさんの優しさをありがとうございました」と感謝している。

 岡本の長男、圭人もHey!Say!JUMPメンバーとしてデビューしているが、デビュー前からジャニー社長が、先輩グループのコンサートに連れてきては「この子、いいよね」とPRしていたことも知られている。

 岡本はまた、ジャニー社長の姉で藤島メリー泰子副社長の「お気に入り」でもある。

「メリー副社長にとって思い入れが強いのは、東山紀之とTOKIOといわれているが、実は男闘呼組こそがいちばんのお気に入り。現在でも事務所に残っている岡本は、メリー副社長にとっていちばん大事な存在のひとり」(スポーツ紙記者)

 また別の記者は「岡本は、木村拓哉を筆頭にジャニーズタレントからの尊敬も厚い。グループ解散後は役者一筋で、映画、ドラマから舞台まで、幅広く才能を開花させ、アイドル卒業組の成功例を体現したひとり」と評価するのである。

 ジャニーズ事務所の今後は、メリー副社長の長女、藤島ジュリー景子副社長が次期社長となるのは確実視されている。ジャニー社長の後継である滝沢秀明とジュリー副社長のツートップという体制が敷かれるとも報じられている。そうなると2人の関係性が、未来のジャニーズを占ううえで最も注目するポイント。

 もし、万が一、両輪が違う方向に転がり出し、事務所に危機が訪れるようなことが起きたら……。そのときに救世主となるのは、岡本健一という、双方からリスペクトを得る人物の存在かもしれない。