――いろいろというのは?
「志望校やどんな準備をしているのか、コネがあるのかなど、必要以上に根掘り葉掘り聞いてくるんです。
幼稚園自体はとても伸び伸びしている幼稚園だったこともあり、どこのご家庭もそれほどお受験にガツガツしているようには見えなかったんです。でも、『ジャック』で顔を合わせた途端、ほかのお母様方から受ける空気が変わり……急に当たりがきつくなって。とくに、私が暁星幼稚園出身というレアキャラだったこともあり、男の子ママからのマークが厳しかったんだと思います。
しかし暁星一択、あとは学大世田谷(東京学芸大学附属世田谷小学校)を記念に受けたい、ほかの成城や都市大(東京都市大学付属小学校)などは受けないつもりだという旨を伝えたところ、少し落ち着かれたようで、また仲良くキャンプやこどもの国などに遊びに行くようになりました」
――それがなぜ成城になったのでしょうか?
「まぁ暁星に落ちまして、一応出願しておいた成城にご縁をいただけたという感じです。受験自体は、暁星と立教に出願し、11/2に両校が重なるかな……と心配しておりましたが、無事に両校受験することができました。
ペーパーは毎朝30枚、朝から川沿いを親子でランニングしたりと、暁星に向けての準備に余念はなかったのですが、一次試験で敗退してしまいました。しかし、暁星の準備が功をなし、立教には合格をいただくことができました。
合格したものの、立教進学に悩んだ点は二点あり、通学が遠いことと、同じ幼稚園の苦手なご家族も進学されるであろうということでした。基本的に小中高の12年間と大学4年間を合わせ、16年間通う学校となりますので、良く考えて出願した成城学園の試験も受け、結果、無事にご縁をいただきました。
幼稚園でも進学先について話題になりましたが、立教のことは話さず、暁星はご縁をいただけず、成城に進学すると話すと、私自身が成城短大だったこともあり、意外にもすんなり受け入れてもらえました。
ちなみに、同じ幼稚園からは息子を含め、男女5人が入学しました」
――実際に入学されてみていかがですか?
「噂以上にとても派手な学校ですね。運動会などでは、大物芸能人の方を目にすることも多いので、平常心を装いながらもかなりドキドキします。
たまたま実家近くのレストランでのお食事会に誘われたのですが、地元だった私も知らないお店で、ナビに住所を入れても山の中。突然現れる御殿のようなレストランに驚くと同時に、お見えになる際のみなさんの車が凄すぎて……ベンツのCクラスが軽自動車に感じるほどでした。
現在は中学に進級していますが、中学からの子たちがかなり優秀なんです。そして、大学付属でありながら、他大学への受験も積極的な方々が多いので驚きました。国立に進むのは数名ですが、早慶も10名ほど、上智は20名を超える年もあるみたいです。
また、学内は本当にのんびりしていて、生徒さんたちは小学校からの子も中学校からの子も別け隔てなく仲良しです。いま考えると、小学校受験で汗をかくほどの学校ではなかったかな……とも思いますが。
中学でもう一度、暁星にチャレンジしてからでも良かったかな、と。しかし、最近は心配な事件も多いなか、セキュリティに関しては万全ですし、良い仲間と出会えたことが何よりの財産になったと思っています」
<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design