《生々しい話をしますと、映画というのはどれだけ観客が入ろうと どれだけ興収をあげようと 作家の懐には何も入ってきません 最初に原作使用料というものが支払われるのみです。全体の興収からいえばハナクソみたいな額ですね》
原作者にお金って入るの?
“電通案件”であろうがなかろうが、原作者には大きな金額は入らないのだろうか。
「'12年公開の映画『テルマエ・ロマエ』は漫画家のヤマザキマリさんによる原作の実写化で興行収入59億円の大ヒットとなりました。しかし翌年にヤマザキさんがバラエティー番組で、受け取った原作使用料は100万円だったことを告白し、映画を製作したフジテレビに抗議が殺到する騒ぎとなりました」(映画製作会社関係者)
'06年に公開され、興行収入が70億円を超えた『LIMIT OF LOVE海猿』でも、原作者の佐藤秀峰が受け取った金額が250万円程度だったことをツイッター上で告白している。
同様の問題は漫画に限ったことではなく、小説も映画の原作となることが多いが……。
「小説の実写映画化による原作使用料は、漫画よりもかなり低く設定されていると思いますね。土屋太鳳さんが主演したある小説の実写映画の原作使用料は、5万円だったそうです。原作者側は“映画化したら重版がかかって、本が売れるかもしれないから……”としょうがなく許諾することが多いですね」(文芸誌編集者)
どうしてこんなにも原作使用料は安いのか。
「原作使用料が思いのほか低く設定されているのは、メディアミックスされることによって大きな宣伝効果をもたらし、原作が売れることが見込まれるからなんです。メディアミックスされるだけで御の字という原作者もいますし、制作会社からの言い値でOKすることが多いと思います。
ただ、メディアミックスされても、原作の購買になかなかつながらないケースもあるので、原作料が低いことに関しては何とも言えませんね」(同・文芸誌編集者)