再開だからと、無理に登校しなくてもいい
前田室長も訴える。
「不登校を選べたことは素晴らしい選択肢です。いじめや体罰、ひどいことをされているのに危険な学校にわざわざ立ち向かうことはない。再開だからといって、無理に登校しなくてもいい。“絶対に〇〇しなければならない”と考えることが増えれば増えるほど苦しくなります」
と状況を見極め子どもの意思や気分、体調などを最優先することを親に求める。
そのときに須永さんらが考案したチェックリストを活用するのもひとつ(次ページ)。
登校への不安が強く、自殺の危険も考えられる場合には前出・『ストップいじめ!ナビ』が無料公開している『心理的危機対応プラン「PCOP」』も参考にしたい。
「親は子どもの様子を見ることが大切です。チェックリストに1つでも当てはまるなら声かけなどフォローが必要。ストレスはジワジワと重なってくるので、リラックスすることが大切です。『コーピング』(次ページ)という手法も試してみては」
ただし、親からの虐待や両親間でのDVが起きている家庭では逆に自宅が危険な場所になる。
「感染対策も必要ですが、子どもを虐待家庭から逃すことも大切。児童相談所やDV相談窓口に相談して」(前田室長)
学校も従来のやり方を見直す必要があるかもしれない。
「いきなり勉強ではなく、数週間は休校期間中のことや不安な気持ちをみんなで話し合ったり、心のケアをする期間にしたほうがいい。そうやって日常を取り戻すことで子どもたちも落ち着き、意欲も戻ってくる」(須永さん)
子どもたちの命を守るために、大人たちは無策であってはいけない。