叔母が語る案里容疑者の素顔
卒業後は慶応義塾大学に進んで上京。科学技術振興機構などを経て、2001年に克行容疑者と結婚。
広島県議を計約14年務めたのち、初めての国政挑戦で票の買収行為をした疑いが持たれている。
おとなしい顔、まじめな顔、明るい顔、勇ましい顔、ずる賢い顔─。どれが実像なのか。
生まれ故郷の延岡市で暮らす案里容疑者の叔母を訪ねると、やや狼狽しながらも「本当は素直な子なんです。明るくて、やさしくて」と、かばうように言葉をつなぐ。
「ひとり暮らしの私を心配して“元気してる~?”って電話をくれたり、年に1回はお墓参りのついでに立ち寄ってくれます。夫と姉夫婦、両親の6人で来るときは、笑い声もあってにぎやかな感じでしたよ」(叔母)
子どものころから勉強が好きで、小・中学校時代に遊びに来るときは、必ず勉強道具を持ってきていたという。
「近くの公園などに遊びに行くこともなく、ひたすら宿題をこなしていました。終えると一緒に食事をしたり、たわいもない話をします。高校生になっても、大学生になっても、結婚してからも旦那さんと一緒に訪ねてきてくれた。政治の話なんていっさいしません。案里は、私の体調を気遣って連絡をくれる思いやりのある子なんです」(同)
周辺の話によると、案里容疑者は両親と仲がよく、昨年の初登院時には姉から当選祝いでもらった“花柄のシャツ”を着るなど家族を大切にしている。
参院選直前にあたる2019年の父の日(6月16日)。案里容疑者はフェイスブックで、隠居していた父親が東京の設計事務所からヘッドハンティングされ、現場復帰したことを喜ぶ書き込みをした。
宮崎では著名な建築家だった父親は、慣れない飲食・焼き肉店経営に手を出して失敗した過去がある。
《私は、父が建築の世界に戻ってくれたことが純粋に嬉しい。そして、人間の人生とは、人の繋がりによって拓かれていくものだなと、改めて痛感した》(フェイスブックより)
容疑が事実ならば、その舌の根も乾かないうちに“人とカネでつながろうとした”ことになる。
また、2019年秋に“ウグイス嬢買収疑惑”が発覚して以降、議員辞職しなかった河井夫妻は仕事らしい仕事もできぬまま、計2484万円の議員歳費を受け取っている。
宮崎市内の実家の両親を訪ねたが、インターホンを鳴らしても応答はなし。逮捕は今年の父の日の3日前だった。親不孝をしたことは間違いない。