海を愛するサーファーだった

 秋山容疑者は1988年に日本歯科大学を卒業した。東京・町田市にある病院勤務を経て、15年ほど前に現在の歯科医院を開業している。

 大学の同級生が、学生時代の容疑者を振り返る。

「学内ではあまり目立つ存在ではなかったです。渋谷区にある実家から通学していて、スキーサークルに所属していました。サーフィンも好きだったようです。当時はまだ頭の毛もフサフサでしたよ」

 自然が好きで、特に海を愛するサーファーだったという容疑者。歯科医になってからも趣味として続けていた。昔よく一緒にサーフィンをしていたという仲間によると、

「毎年夏、仲間うちで千葉県の海に集まって、サーフィンやBBQをしていました。ハワイのワイキキはいいよね、なんて盛り上がったり」

 毎回20代から40代くらいまで30~40人が参加しており、容疑者もその1人だった。

「秋山さんは温厚で、ヤンチャな後輩が少し調子に乗っても、笑って流すような人でした。後輩にもちゃんと敬語で話す謙虚な人なので、みんなに慕われていましたね」

 グループの中では年長者で、お金のない若い人の分まで酒を用意するなど大人の余裕も見せていた。

 その後、集まっていたBBQ場がなくなったこともあり、夏の集まりは消滅。

近年は投資に没頭

 海の大好きだった容疑者も近年は別の趣味に没頭していたようで……。

「老後の資産運用について考えていたようで、一緒に投資を始めました」

 そう語るのは、秋山容疑者とともに投資の勉強をしていたという男性・Aさん。3年ほど前に投資セミナーで出会ったという。

「2人でいつも、情報交換をしていました。当時はお互い始めたばかりで、毎日のように2時間くらい電話したり、家に来てもらったり」(Aさん)

 歯科医で開業医。世間的に見れば生活苦とは無縁のエリートに感じるが、実際はそうでもなかったという。

 Aさんが続ける。

「秋山さんは親の跡継ぎではなく自分で医院を立ち上げているので、現在は返済ずみのようですが、開業資金に1~2億円くらいかかったそうです。近年は診療報酬の改定もあり、歯科医も昔みたいに稼げる職業ではないと話していました」

 過去には別の歯科医を雇っていた時期もあったが、治療方針の相違で衝突し、現在はひとりで診療を行っていた。