数少ない芸能リポーターとして最前線を突っ走る駒井千佳子さんによる発言「テレビ局のほうが忖度していると思います」。23日放送のフジテレビ系『ワイドナショー』で飛び出した。
これまでも、ジャニーズアイドルの不祥事の報道に関しては、テレビやスポーツ紙など芸能メディアの扱う媒体のほとんどがジャニーズ事務所に忖度しているのでは、と世間は見てきた。
元SMAP・稲垣吾郎がちょうど19年前の2001年8月24日に道交法違反、公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕された際、テレビの報道番組でさえ「稲垣容疑者」と報じず、苦肉の策として「稲垣メンバー」と報じた過去がある。
駒井リポーターが「忖度あり」に言及したのは、未成年女性との飲酒などが『文春オンライン』で報じられた歌手で俳優の山下智久(35)とKAT-TUNの亀梨和也(34)の処分報道に関してだ。
同番組のコメンテーターで作家の乙武洋匡さんに、ジャニーズ事務所からの忖度要求の有無を聞かれた際、「やめてねというよりは、えっと、う~ん」と口ごもった後、事務所から聞いている説明を、手元のペーパーを読みながら伝えた後、冒頭のようにテレビ局側に“自主忖度”があることを明言したのだ。
未発表の自粛期間も勝手に言及
「あの番組は録画ですから、本番は全体のノリでしゃべったとしても、編集でカットすることを求めることもできる。それをしなかった。駒井さんとしては、ジャニーズ側から忖度要求がないことを示すために、テレビ局側が勝手にしていると言ってしまった。結局は、メディアが忖度しているということです。その発言をしているひとりが自分であることを、ちょっと棚に上げちゃっていますね」(スポーツ紙元ジャニーズ担当記者)
7日に『文春オンライン』で報じられて以降、後追い報道する主要メディアはなく、17日夜、ジャニーズ事務所が処分を発表するに至った。山下が「一定期間」の自粛、亀梨が「厳重注意」。
「その翌日から、芸能人やコメンテーターらから、事務所よりの発言が飛び出しました。“忖度発言”というより“ゴマすり”“代理人”、そういったほうがいいような、山下支援、亀梨支援の発言のオンパレードでしたね」
と情報番組デスクも苦笑いで首をひねる。そして
「特にひどかったのは、山下の自粛期間についてです。一定期間がいつまで続くか、ですが、テレビ局の芸能デスクは、3~4か月と見通し、コロナ禍で延期になっていた『亀&山P』のドームライブをやる、とまで言及していました。スポーツ紙の芸能デスクも『3か月』とキッパリ言っていましたからね。メディアが不祥事の露払いにひと役買っている感じでしたよ」
処分発表後、亀梨は主演映画『事故物件 恐い間取り』(28日公開)のPRイベントに登場し謝罪。その後、スポーツ紙のインタビューにも、事件のことを一切触れることなく登場し、「厳重注意」されたことで芸能活動にはすでに支障のないことを示した。
前出の芸能デスクの読みどおりなら、山下の復帰は今年11月〜12月となる。
「4月発売予定だった2人の初アルバム『SI』は発売延期になっている。ライブツアーは無理としても、レコード会社も売り上げを見込んでいたでしょうから、CDの発売&プロモーションは何としてもして、年末のジャニーズカウントダウンには出演させたいところでしょうね」(スポーツ紙芸能デスク)
〈取材・文/薮入うらら〉