「山下さんを推薦したのは事実」
《山下智久は、最初から候補の筆頭だった。Huluジャパンには採用してほしい、理想とする男がすでにいたんだ》
日本からの“山下ありきのゴリ押し”ともとれるが、その理由もテレム氏は読み解く。
《200万人の国内ユーザーを抱えるHuluジャパンが山下を起用することは理に適っているし、山下自身も俳優としての国際的な知名度を高めるチャンスだと考えていたんだろう》
山下が出演することで、視聴者の興味を引きつけることができるという『Huluジャパン』の目論見があり、そこに海外での活躍を望む山下の思惑が一致した、ということなのだろう。
「海外作品が人気を獲得するために、放送する国のスターをキャスティングしたり、芸能事務所や代理店などが、推薦したい役者や、人気のある役者をキャスティングすることは珍しくありません。ただ、関係者が“そういうことがあった”と明かしてしまうことは、かなり珍しいですね」(前出・映画ライター)
山下の猛プッシュについて、Huluジャパンに問い合わせると、
「本作は、Huluジャパンも製作に参画している作品になります。山下さんを日本側から推薦させていただいたことは事実ですが、最終的な判断をしたのは、製作を担当した映像スタジオです」
テレム氏が裏側を暴露したバラエティ紙には、山下本人も取材を受けており、
《世界的に活躍の場を増やしたいと考えている》
と夢を語っていた。日本でドラマや映画に出演する際は当然のように主役であり、ある種の“特別扱い”が当然となっている山下。『THE HEAD』では、まったく対照的な“知り合いのいない”撮影現場だったため、苦労したのかと思いきや、
《楽しんでいる》
と答え、次のようにインタビューに語っている。
《撮影に来てから、とても落ち着いてます。こういう環境で仕事をしていると、駆け出しのころ、全然人気がなかったときを思い出して、とても懐かしい気持ちになります》
自分の新たな才能を引き出してくれた製作チームのため、涙を流すほど心配してくれる“戦友”のためにも立ち止まっている時間はない。