二宮の徹底した仕事ぶり
津市の人間になりきるため、二宮は津市の方言を徹底的に練習して身につけた。
「お風呂、食事、休憩時間以外はずっと方言のテープを聞いていたそうです。1日15時間以上、聞く日もあったとか。
'15年に主演した『母と暮せば』の長崎弁もそうですが、彼は”耳で覚える“というのを大切にしています」(前出・テレビ誌ライター)
撮影中もほかの仕事が入っていたが、二宮はセリフが完璧に頭に入っていたという。
「”台本をいつ読んできたの?“って思いました。疲れているはずなのに、監督が”もう1回!“って言ったときも嫌な顔ひとつせずに”次どうしましょうか?“って。二宮さんに次の日のスケジュールを聞くと、東京ドームのコンサートやテレビの収録が入っていて……。
その合間にダンスの練習をしているんですよ。人の5倍くらいのパワーです。”次元が違うな“って思いました」(浅田さん)
映画公開直後にもかかわらず、津市には多くの人が訪れている。
「現在、『浅田家!』の衣装などを展示するパネル展を開催しており、県外からいらっしゃっている方も多いです」(前出・津市広報課職員)
撮影が行われた高田派本山専修寺には、ロケ地マップを片手にした人々が殺到。
ファン殺到の撮影舞台「ニノのいた空気……」
「カップルや女性といった普段あまりお見かけしないような方々もいらっしゃいます。おそらく二宮さんのファンですね。東京から来た方は”ニノのいた空気に触れたい!“とおっしゃってました。7万部ほど作ったロケ地マップは在庫がほとんどなくなったそうです」(専修寺広報)
写真集の表紙になった『津市中消防署』にもファンが。
「大阪や愛知からもいらっしゃいます。事務所の隣にある車庫には撮影で使った消防車がありますので、そちらで写真を撮られる方が多いですね」(消防署員)
撮影時にも津市に多くのファンが集まっていた。ロケ地の『津市ヨットハーバー』のスタッフによると、
「100人以上のファンが駆けつけました。ヨットハーバーに来ていた一般のお客さんが帰る際に”野次馬が多すぎて車が出せない!“と、警察に通報するほどのパニックに」
観光協会は、トラベル客の増加に沸いている。
「津市のホームページのPV数が300倍になったそうです。津市は『津城跡』や温泉など、年齢層が高めな方を対象としたスポットが多いのですが、映画の効果で、若い女性が増えていると実感します」
一方で、浅田さんはフィーバーを冷静に眺めていた。