「2020年は、嵐にとって“もどかしい1年”になってしまいました。東京五輪が開催されず、北京やアメリカで行うはずだった公演も中止に。“ラストイヤーは国内外のファンに向けて感謝を伝えたい”という思いが強かったので、メンバーたちは落胆していました。当初は今年5月に行われる予定だった『アラフェス』も延期に。最終的に“無観客ライブの事後配信”という形になり、5人は開催できる喜びを噛みしめていましたよ」(制作会社関係者)

 今回のライブについて、『Netflix』で配信中の『ARASHI's Diary―Voyage―』の中で、松本潤は次のように意気込みを語っている。

ライブ演出の花火の煙が上空に立ち込める『神宮球場』のスタンド(上)と、フリマアプリの『メルカリ』にも出品されていた『アラフェス』ロゴ入りの風船(下)
ライブ演出の花火の煙が上空に立ち込める『神宮球場』のスタンド(上)と、フリマアプリの『メルカリ』にも出品されていた『アラフェス』ロゴ入りの風船(下)
【写真】『花晴れ』打ち上げで後輩を圧倒した松本潤の“MJオーラ”

《どれだけ魂込めるかってことなんじゃないかな。本当はそこにみんながいて、っていうのが今まで当たり前だったけど、その当たり前が当たり前じゃなくなっている今、それをみんなにどう届けるか……、5人で》

 しかし、今回の収録で起きてしまったトラブルで、松潤には厳しい声も。

「せめて松潤はプロ野球の試合を中断させることになってしまった事情を説明すべきだと言う人もいます。彼はライブ演出の責任者的存在ですから」(前出・スポーツ紙記者)

コンサートは夢の空間

 2000年ごろから、嵐のライブ演出は松潤が手がけている。2012年の雑誌のインタビューでは、演出に懸ける思いをこう語っていた。

コンサートはさ、自分にとっても、嵐にとっても、夢の空間なんだよね。(中略)コンサートではエンターテイメントの力をすごく感じる。だからこそ、出てる側の僕らも力をもらえたり、元気になったりするんだと思います》

 観客を楽しませるためには、あらゆる努力を惜しまない。今回は派手な演出がアダになってしまったが、松潤は多くの斬新なアイデアでライブを盛り上げてきた。

「逆さづりで地上30mの空中を歩く『MJウォーク』という演出には、度肝を抜かれましたね。ファンの近くまで行こうとする演出も印象的です。今では多くのアーティストのライブで目にする『ムービングステージ』ですが、日本で先駆けて使用されたのは2005年の嵐のコンサートで、取り入れたのは松潤です。スタンドの観客のためにトロッコに乗って近くまで行ったり、ドームでは2階席より上の観客のために気球で登場するんです」(舞台演出家)