ジャニーさんも思い入れのあった『紅白』
2014年1月、前年の『紅白』で同番組から引退した北島三郎(84)について、ジャニー氏は「出場50回はすごいことだし、大変なこと。もう少し、北島さんを立てていただきたかった。もっと温かく対応しないと。それだけが残念ですね」と話していた。
また、『紅白』自体についても「『紅白』は外国かぶれしたものではなく、日本のよさがある番組。ドンチャン騒ぎをするような他の番組と同じようにやっちゃうとね」と語っている。
2016年1月にも『紅白』について「僕の年代は楽しみにしている番組」とし、「若い人と年配者が手を取り合って歌う姿こそ、芸能界で、それができるのも『紅白』。もっと先輩たちを尊敬すべきです」と『紅白』の魅力について述べている。
「普段は表舞台に出てこないジャニー氏がこれだけコメントを出すというのも珍しく、それだけ『紅白』への思い入れが強いということですよね。ジャニー氏が亡くなり、今年9月にはメリー会長が名誉会長になって勇退しましたが、2人が第一線にいたら、今年の嵐に対しても、“今まで『紅白』やNHKにはお世話になってきたんだから出場しなさい”、“司会もやったほうがいい”と言っていたはずでしょう。
ただ、藤島ジュリー景子社長と滝沢秀明副社長(38)という新体制になり、『紅白』に対する考え方がガラリと変わり、タレントの意向を重視するようになったのでしょう。多様性や自主性を重視するような時代になってきていますから、それが当然の流れとも言えるのですが……」(前出の芸能プロ関係者)
気になるのは、嵐不在が懸念される今年の『紅白歌合戦』だろう。
制作会社関係者は話す。
「NHKは当然、今年も嵐ががっつり『紅白』に出てくれて、番組を盛り上げてくれると考えていたはず。コロナで東京五輪が延期になっていなければ、嵐はNHKのスペシャルナビゲーターを務めていたはずで、当然その年の『紅白』でもメインになりうる存在だったわけでもありますしね。
また、これまでNHKはジャニーズサイドの意向を受け入れてきた過去もあります。たとえば、中山優馬(26)、山田涼介(27)、知念侑李(26)のユニット・NYCは2009年から4年連続で『紅白』に出場していますが、NHKとしてはもっと知名度のあるグループに出てもらいたかったでしょう。
極めつけは2015年の近藤真彦(56)ですよね。その1年に近藤が目立った活躍をしたわけでもないのに、白組のトリを務めているんです。これまで、“要望”を飲んできたにもかかわらず、嵐には裏切られるような形になって、気持ちいいわけはない。番組上層部は“まさかの事態”に、驚きとともに怒りの感情もあると思いますよ。ライブと『紅白』の時間が重なっている場合、視聴率にも影響が出るでしょうしね。
一方で、NHKサイドは“ジャニーズ抜きでも『紅白』は成立する”と考えているという話も聞こえてきます。来年以降の『紅白』では“ジャニーズ枠”が減る可能性も浮上しているともいい、また、関ジャニ∞の村上信五(38)を白組司会に起用するという話も今年持ち上がったそうなんですが、結果、大泉洋が抜擢されています。こうしたことは、ジャニー氏の逝去に端を発する、『紅白』とジャニーズの関係の希薄化が大きく起因していると言われています。やはり、ジャニー氏の存在はとにかく大きかったんですよ……」(前同)
嵐は今年の『紅白歌合戦』にどのような形で絡むのか。出ない、という結末は考えたくないが、はたして――?